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第1章第58話

俺は頭を軽くポンポンすると 「大丈夫だよ」 そう言って暁を引き寄せると 俺は唇を重ねた。 「んっ……ん」 啄むように何度か離れては重ね 徐々に重なる時間を増やし舌で 暁の唇をノックすると 僅かに開いた隙間から舌を侵入させ 歯列を割り上顎を舐めあげる。 「んっ……はぁ……んっん」 本能的に逃げようとする暁の舌に 絡め吸い上げればびくんと暁の 身体が僅かに跳ねた。 やべ可愛い……もっとしたいけど 流石にこれ以上は……とチュッと 音を立て離れ顔を覗けば、 暁は瞳を潤ませはぁ……と呼吸が乱す。 俺は自分の腕の中にすっぽり暁を 包み込むと口を開く。 「またデートしよ?」 暁は顔を埋めたまま 「今度大和の家に行きたい」 「え?家?」 それはもしかしてもしかする? 「駄目?」 ちょこんと顔を覗かせ キラキラした瞳で訊かれると弱い。 「う、家狭いよ?汚れてるし……」 暁はブンブンと首を振ると 「平気だもん行きたい」 家に来るって事は……そう云う意味合い と受け取ってもいいのだろうか? 手が早いと思われない? 「わ、分かったよ今度ね」 そう言うと暁は大喜びした。 「今日は帰る?」 「えー!もっといたいのに……」 そう暁が呟いたとほぼ同じくらいに 暁のスマホが鳴った。

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