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第1章第59話
電話は広瀬さんからだった。
なんでも俺を連れて事務所に
寄って欲しいとの事だった。
なんだろ?と俺は思いながらも
暁と共に事務所に顔を出す。
「悪かったねデート中なのに」
広瀬さんはクスクスしながら
コーヒーを差し出す。
暁は丁度いいからと
着替えに行ってしまった。
「あの……」
「実はね大和君に紹介したい人がいて」
「紹介?」
するとノック音がし広瀬さんが
どうぞと言ったのと同時に扉が開く。
「げっ……」
現れた男に思わず俺は絶句した。
「あれ?知ってるの?」
キョトンとした広瀬さんは俺と
もう1人……そう、目の前に現れた
こいつ!逢坂颯真を交合に見た。
「昼間偶然な」
クスリともせず愛想のない顔で
逢坂は応えると広瀬さんは
そう?手間が省けたと言いながら
「大和君、こちら逢坂颯真さん、
俺と同じここでマネージャーしてるだ!
まあ俺より先輩だけど」
マネージャー……?こいつが?
しかも先輩。て事は広瀬さんより年上?
全然見えねーてか
広瀬さん歳知らない……。
だけど広瀬さんと言い
ここのマネージャーは
モデル並みだな……
二人揃ってイケメンで
身長高い……
俺よりは小さいみたいだけど……。
「…………」
黙ってる俺に広瀬さんが
とんでもない事を言い出した。
「今後逢坂さんは大和君の
担当マネージャーになるから宜しくね」
はぁ?こいつが俺のマネージャー?
待て待て!ちょっと待て!
「ひ、広瀬さんは?」
「俺は暁で今大変でね、慣れるまでは
顔出すけど担当は逢坂さんでお願い。
大丈夫腕は確かだから」
ガーン!俺がこいつとこれから一緒?
じ、地獄だ……ありえない。
「宜しく」
差し出された手を嫌々握れば
広瀬さんにわからないように
ぎゅっと力を込められる。
いっ……て、すぐさま離すと
ニヤリと逢坂はほくそ笑んだ。
終わった……俺のこれからが……。
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