61 / 214

第1章第61話

互いに睨み合って数分。 ガチャとドアが開き 暁がご機嫌で入って来た。 「お待たせ大和」 語尾にハートマークが付いてるよ。 女の子から男に戻っては いるがやっぱり可愛い。 「あ、暁…………」 俺が近寄ろとすると逢坂が割って入り 何をするかと思えば 抱きついて頬をスリスリ! 「暁、こっちも可愛いね」 「な…………」 逢坂の行動に俺は口をパクパクさせ その状況をただただ見せつけらる。 「ちょっと颯真くすぐったいし 大和がビックリしてるから離れて?」 「えーなんでさ」 明らかに面白くなさげな声で 一瞬俺を睨みつけると ムスっとしながら暁から離れた。 こいつ!スゲーむかつく。 わざとやりやがった。 「もぅ、挨拶はしたの? 駄目だよ浮気したら、 僕怒られたくないし」 う、浮気?なにこいつ恋人いるのかよ。 こいつに恋人…………。 なんだかスゲー大変そう。 「挨拶はしたよ、暁なら別に怒らねーし」 「だーめ僕は大和がいるもん」 暁はそう言って俺に擦り寄る。 やべー猫みたいで可愛い……。 ざまー逢坂! 暁の態度に口元が 緩みそうなのを必死に抑えた。

ともだちにシェアしよう!