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第1章第65話

大和side 待ち合わせの時間より 早めに着いたのだが 暁は既にいていつもより シンプルかつラフな姿に眼鏡を 合わせただけの男の子で立っていた。 俺はなんだかドキドキしながら 声をかければ 暁は機嫌よく俺に擦り寄る。 緊張しつつ自宅に向かう途中に 2人でスーパーに立ち寄り おば様達の視線を感じながら 夕食やお菓子を買い玄関前 「ここが大和の家?」 暁が目をキラキラさせながら 弾んだ声で言葉にする。 「う、うん本当に狭いけど」 そう言って部屋の鍵を開け招き入れた。 部屋はワンルームトイレと バスは別々だが ベッドと小さなソファと テーブルを置けば いるとこなんて決まってくる。 昨日慌てて片付けた雑誌は 部屋の隅っこに束ねた 「適当に座ってお茶入れるから」 暁はキョロキョロしながら ちょこんとソファに腰を下ろす。 やっぱり狭いよな……。 俺はコーヒーを2人分 用意して暁の隣に陣取る。 「あ、あの雑誌」 「え…………」 昨日買った雑誌だけ後で見るつもり だった為束ねた上に乗せていた だけのを暁は手に取ると ニッコリ微笑んで 「買ってくれてたんだ! しかもこんなに……」 「い、いやそれは……」 俺は慌てて暁から雑誌を取ると 真っ赤な顔で視線を逸らす。 「ふふ、照れてる可愛い」 か、可愛い……俺が………………? 暁の言葉に口をパクパクさせると 暁は突然俺に抱きついてき 俺は……思わず雑誌を落として固まった。

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