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第1章第87話

と言っても広瀬が 何処にいるか分からない。 事務所は広いし 俺はいそうな場所を探す。 「何処にいるかな?」 キョロキョロしながら廊下を歩いていると ある一室の前でなにやら声がする。 「ん?なんだ?」 見てみるとドアが きちんと閉められておらず 俺は思わず中を覗いた。 「や、め…………」 あれ?広瀬さん? 部屋の奥に視線をやり 声の方を見ると 確かに広瀬さんだったのだが……。 「なっ………………!」 部屋で起きている 展開に俺は思わず絶句した。 「んっん…………んっん」 う、嘘だろ?あろう事か……広瀬さんが 男にキスをされてるではないか。 しかも……俺が暁にするより濃厚……。 「っん……はっ……んっん……ぁ……や……」 だがもっと驚いたのはその相手。 最初は後ろ姿だけで 顔が分からなかったのだが 抵抗する広瀬さんを器用に抱きすくめると 角度が変わり顔がはっきり見えた。 「………………!」 俺は思わず後ずさり……。 ま、マジかよ! だって……キスしていた相手は……。 そう思っているといきなりドアが開き 鋭い目つきと低い声。 「覗き見とは趣味悪いな九条」 目の前に現れたのはそう逢坂……。 俺が目撃したのは……2人のキスシーン。 俺は頭が真っ白になって言葉を失った。

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