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第1章第88話

見つかった……。 てかタイミング悪すぎだろ俺。 ついつい目が泳ぐが奥の部屋で 乱れた衣服を直しながら真っ赤な顔して 困った顔してる広瀬さん。 いつも爽やかな笑顔はそこにはなかった。 「あ……と…………」 言葉が上手く出ない……。 なんて言えばいいのだろうか……。 「何しに来た?」 逢坂の冷たい口調に少々苛立ちを覚える。 そりゃ勝手に見たのは悪いと思うが……。 「あ、あんたに用はない、 俺は広瀬さんに………」 「ふーん」 む、ムカつく。 なんでコイツとキスなんて……。 「や、大和君……場所変えようか……」 奥の部屋から広瀬さんは 少し気まずそうな顔しながらも 入口に来ると 俺を別室に連れてこうとした。 「なんだよ、説明しないの?」 それを他所に逢坂は平然としてる。 「そ、……ゴホン!逢坂かいると 話がややこしくなるから来るなよ」 あれ?いつも穏やかな広瀬さんの 口調とは少し違いなんか刺がある。 ポカーンとしながら立ち尽くしてると 広瀬さんはお構い無しに、俺は連れ 別室へ移動し鍵までしてしまった。

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