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第1章第90話

「色々訊いてすいません、 あの俺が来た理由なんですけど……」 「あーそうだったね どうしたの?何かあった?」 俺は頭を振りながら続けた。 「いや、実は暁がスマホ忘れてって……、 俺暁の家まだ知らくて スマホここにあるから連絡取れないし、 広瀬さんには電話したんですけど」 髪をくしゃくしゃと 掻きながら説明すると 広瀬さんは自分のスマホを確認した。 「あ、本当だ着信ある、 ごめんね気付かなくて」 「いやいや、仕事中にすいません」 俺がペコリと頭を下げると 広瀬さんはニッコリ微笑んだ。 「ちょっと暁に電話してみる」 「へ?電話?でもスマホはここに……」 「あーいや自宅にね」 あ、なるほど。 俺の家は固定電話ないから 発想がなかった。 あ、でも番号わかんねーや。 どっちにしろ無理じゃん。 セックスまでしたのに 俺何も知らねー。 ちょっと凹むわ……。

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