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第1章第96話
大和side
広瀬さんと逢坂は
スタッフと話があるからと
俺と暁は2人で先に楽屋に戻った。
鏡の前、メイクなんてした事ないから
どうやって落とすのかも分からない。
俺の頭は、?が飛んでいると
「やってあげるね」
暁がそう言って椅子に座り
俺の顔を弄り出した。
なんか緊張する。
「疲れてんのにごめん」
「大丈夫だよ」
相変わらずニコニコと微笑む。
メイクを落とされながら俺は訊いてみた。
「あ、あのさ……広瀬さんだったんだな、
逢坂の恋人って…………」
暁は手を止め目を丸くしてる。
「いや、その────、
偶然見ちゃって──キスしてるとこ」
「あらら、衝撃だったでしょ?」
暁は丸くした目からクスクス笑いだし
また手を動かす。
「ま、まあ────」
「だよね?言わなかったから、
ごめんね大和」
いやいやなんで暁が謝るんだ?
確かに驚いたけど、
色々事情もあったのだろ。
そうこうしてる内に
2人が楽屋に戻って来た。
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