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第1章第97話

「暁そんな事までやってんのか? 甘やかすなよ、これから自分で やらないといけないんだから」 暁の折角の行為を 呆れ声で言い放ったのは勿論逢坂だ。 「今日ぐらいいいの」 暁もちょっとムッとした顔になる。 メイクを落とされ なにやらいっぱい付けられた。 「メイク後はちゃんケアしないと お肌荒れちゃうからね」 「あ、有難う暁」 俺は少し照れつつ鏡を見ると お肌がツルツルになっていた。 「そう言えば颯真 もうすぐ誕生日でしょ?」 暁の一言に俺はそうなのか──── と内心思いながら着替える。 「そうだけど仕事だよ、 それに……その日は望に会わないと」 ん?(のぞむ)?誰だ? 初耳の名前に耳はダンボ。 「あ────そっか」 どうやら暁は事情を知っている様子。 広瀬さんも何も言わない。 仮にも恋人だろ?誕生日に別の奴の 名前を上げるなんてどうなんだ? だけどそれ以上は暁も広瀬さんも 何も言わなかった。

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