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第1章第99話
「彼は浮気してるわけじゃないよ?
望君はまだ15歳の男の子、颯真の実子だよ」
広瀬さんの言葉に俺は
飲んでいた水を吹き出した。
「げほ…………げほ」
「ちょっと大和大丈夫?」
隣にいた暁が思わずタオルで
拭き拭きしながら背中をさする。
「じ、実子って子供!?」
広瀬さんは笑いながら
そうだよなんて答える。
マジか!しかも15歳?
嘘だろ?あいつがパパ!
「颯真は早くに結婚して
望君は20歳の時に生まれたの、
まあ今は離婚して別々に暮らしてるけど」
って事はあいつ35になるのか?
見えねーてかあまりの衝撃に
頭がついて行かない。
「たまに逢ってるんだよ、
前の奥さんとも円満離婚だし
あー見えて子供は可愛がってるからね」
そ、そうなのか────。
いつもキツイ態度だからそう言われても
しっくり来ない。
「大和単刀直入過ぎてビックリしたよ」
隣にいた暁も笑ってそう言った。
だって気になるじゃん。
だけど謎が解けた────。
俺の心配を他所に
その後は和やかな空気になって
俺達は暁のマンションに到着。
きっと逢坂いたら……
「お前には関係ないだろ」
って、あのキツイ目で睨まれて
場の空気は悪くなってたろ。
そんな事を考えていたら
広瀬さんは暁にくれぐれも
休むように言って帰って行った。
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