99 / 214

第1章第99話

「彼は浮気してるわけじゃないよ? 望君はまだ15歳の男の子、颯真の実子だよ」 広瀬さんの言葉に俺は 飲んでいた水を吹き出した。 「げほ…………げほ」 「ちょっと大和大丈夫?」 隣にいた暁が思わずタオルで 拭き拭きしながら背中をさする。 「じ、実子って子供!?」 広瀬さんは笑いながら そうだよなんて答える。 マジか!しかも15歳? 嘘だろ?あいつがパパ! 「颯真は早くに結婚して 望君は20歳の時に生まれたの、 まあ今は離婚して別々に暮らしてるけど」 って事はあいつ35になるのか? 見えねーてかあまりの衝撃に 頭がついて行かない。 「たまに逢ってるんだよ、 前の奥さんとも円満離婚だし あー見えて子供は可愛がってるからね」 そ、そうなのか────。 いつもキツイ態度だからそう言われても しっくり来ない。 「大和単刀直入過ぎてビックリしたよ」 隣にいた暁も笑ってそう言った。 だって気になるじゃん。 だけど謎が解けた────。 俺の心配を他所に その後は和やかな空気になって 俺達は暁のマンションに到着。 きっと逢坂いたら…… 「お前には関係ないだろ」 って、あのキツイ目で睨まれて 場の空気は悪くなってたろ。 そんな事を考えていたら 広瀬さんは暁にくれぐれも 休むように言って帰って行った。

ともだちにシェアしよう!