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第1章第109話

次の日、朝の光で俺は目を覚ます。 寝ぼけながら隣にいるであろう 暁の身体を手探りで探しポフポフ────。 「ん…………?」 あれ?感触がまるでない。 俺の腕は空切るだけ。 ようやく目を開けると暁の姿はなく 俺1人が寝転んでいた。 時間を見るとまだ7時。 俺は慣れない暁の寝室を出ると リビングに辿り着いた。 意外にも部屋は飾りっけはなく 綺麗に整頓された大人な雰囲気。 しかし広いな────。 間取りどれくらいだ? とか思いつつテーブルに目をやると ベーコンエッグとサラダ。 そこにメモ書きを見つけた。 「大和、ごめんね……仕事あるから 先に出ます、良く寝ていたから 起こすのはやめました、 朝ごはん作って置きます、 特製ドリンクは冷蔵庫に、 ご飯は炊飯器にあります、 それから直接渡したかったけど スペアキーを置いておきます、 いつでも来てね!」 「暁────疲れてんのに……」 俺は暁の気遣いに 涙が出そうなのを堪え 大事な鍵を握りしめた。 有難う────暁。

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