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第1章第118話
暁side
いよいよクリスマス当日。
大和に会える日。
ワクワクして迎えるはずが
朝から気分が悪い。
身体が重い────。
撮影入ってるのに
集中出来ない……頭がクラクラする。
ヤバイ────。
「AKIちゃん?どうしたの?大丈夫?」
カメラマンがレンズから目線を外し
心配そうに訊いてくる。
「す、すいません、ちょっとトイレ………」
僕はカメラマンのOKを貰い
急いでトイレに駆け込む。
僕はドアを閉める余裕すらなく
胃の中の物が込み上げた。
「うっ……げほっ……げほ」
吐いても吐いても込み上げてきて
気持ちが悪い────。
「────暁?」
司の声────、
多分撮影中にトイレに立つなんて
殆どないから見に来たのだろ。
けど僕は吐き気で応えらない。
「うっ…………げほ」
「暁?どうした?」
司が慌てた様子で僕の傍に来た。
「吐いたのか?気持ち悪い?」
僕は涙目になりながら
言葉にしようとするが
目がぐるぐる周り視点が合わない。
「暁?」
音が────遠くなる。
「っき?…………き?────」
僕を呼ぶ司の声が消えた瞬間
僕はその場に倒れ込んだ。
クリスマスなのに────
最悪だ────────。
それからどうなったのか僕は知らない。
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