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第1章第119話
大和side
その頃俺は何も知らずに
ルンルン気分で
暁の自宅でアプリを駆使して
慣れない手料理を作っていた。
「プレゼントもよし、
ケーキも買ってきたし
後はこれが出来れば完成」
暁喜ぶかな?
喜んでくれたら嬉しなあ。
思わず顔がニヤケる俺は
緩んだ口を抑えつつ
ビーフシチューをコトコト煮込む。
「ん~いい匂い、サラダも完璧、
チキンもあるし俺頑張った」
なんて独り言言いながら鼻歌
なんか歌って煮込み終わると
「よし出来た!
後は暁が帰るのを待つだけ」
プレゼントをもう一度確認すべく
火を止めリビングに足を運ぶ。
「うんよし、テーブルクロスも
花もOK!シャンパンと行きたいが
未成年だからアルコールなし」
俺やるな!なんて1人で
照れている時電話が鳴った。
「もしもーし」
呑気な俺を他所に慌ただしい雰囲気で
広瀬さんが話だし出す。
「大和くん?
直ぐに総合病院に来てくれない?」
「え?病院?」
「暁が倒れたんだ、詳しくは病院で」
暁が倒れた────?
ルンルン気分から一転。
俺の顔からは血の気が引き
プレゼントが手から落ちた。
────────────
───────────病院、
病院行かないと……。
夢から現実に引き戻され
俺は慌てて病院に向かう。
暁────暁っ!
エレベーターすら
待てなくて階段を使う。
途中足が縺れ何度も転びながら
俺はタクシーを拾うのも忘れ走った。
暁────暁────。
どうか無事ていてくれ────。
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