119 / 214

第1章第119話

大和side その頃俺は何も知らずに ルンルン気分で 暁の自宅でアプリを駆使して 慣れない手料理を作っていた。 「プレゼントもよし、 ケーキも買ってきたし 後はこれが出来れば完成」 暁喜ぶかな? 喜んでくれたら嬉しなあ。 思わず顔がニヤケる俺は 緩んだ口を抑えつつ ビーフシチューをコトコト煮込む。 「ん~いい匂い、サラダも完璧、 チキンもあるし俺頑張った」 なんて独り言言いながら鼻歌 なんか歌って煮込み終わると 「よし出来た! 後は暁が帰るのを待つだけ」 プレゼントをもう一度確認すべく 火を止めリビングに足を運ぶ。 「うんよし、テーブルクロスも 花もOK!シャンパンと行きたいが 未成年だからアルコールなし」 俺やるな!なんて1人で 照れている時電話が鳴った。 「もしもーし」 呑気な俺を他所に慌ただしい雰囲気で 広瀬さんが話だし出す。 「大和くん? 直ぐに総合病院に来てくれない?」 「え?病院?」 「暁が倒れたんだ、詳しくは病院で」 暁が倒れた────? ルンルン気分から一転。 俺の顔からは血の気が引き プレゼントが手から落ちた。 ──────────── ───────────病院、 病院行かないと……。 夢から現実に引き戻され 俺は慌てて病院に向かう。 暁────暁っ! エレベーターすら 待てなくて階段を使う。 途中足が縺れ何度も転びながら 俺はタクシーを拾うのも忘れ走った。 暁────暁────。 どうか無事ていてくれ────。

ともだちにシェアしよう!