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第1章第124話

大和は泣きそうな 顔で僕を見つめると 「なんで泣いてるの? 痛い?気持ち悪い?」 僕はブンブンと頭を振ると 「だっ………りょうっ……うっッり」 泣きながら言っても 分からないそう思ったのに 「料理?それは俺は まだ暇だから作っただけ、 泣かないで…… 具合い悪くなるからベッドに戻ろう?」 大和はそんなの ちっとも気にする事なく 涙を拭い僕を軽々抱っこすると 僕をベッドへと運んだ。 「ごめ…んねっ……ごめんね……うっ」 泣き止まない僕を大和は ギュッと抱きしめて静かに言った。 「謝らないで暁は何も悪くない。 悪くないんだから!」 そう言うと抱きしめていた身体が 僅かに震え出す。 「や……ま……と?」 力いっぱい僕を抱きしめた瞬間 大和は震えた声で口にする。 「こわ、怖かったんだから、 倒れたなんて訊いて俺、 心臓止まるかと思った」 「…………………」 「クリマスなんかこれから いくらだって出来るよ、 だから今はお願いだから 身体を大事にして」 「やま……と………」 いつの間にか僕の涙は止まり 今度は大和が泣いている。 「お願いっ」 僕は大和に抱きつき頷いた。 そうだ……僕が泣かせてる。 大事な大和を僕が……本当にごめんね。 心の中で小さく呟き 僕は大和に寝かされると 大和は必死に訊いてくる。 「何か欲しいものない? 俺買ってくるから」 でも────、 僕は大和の袖口掴みそっと言った。 「側にいて……それだけでいい」 大和はハッとしてちょっと赤くなった。 「抱きしめて?一緒に寝よ?」 僕が甘えて言えば 大和は静かにベッドに入り 僕を優しく包み込む。 やっぱり一番落ち着く。 僕は大和の腕の中に潜ると 瞼が重くてそのまま眠りに落ちる。 「や……と…おや………み」 「あ……き……メリークリスマス、おやすみ」 そっと瞼にキスを落とされ 囁かれた事は僕は知らない。 ただとても温かな腕の中で 久しぶりに深い眠りへと落ちた。

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