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第1章第126話
頭を軽く撫でると
暁は抱きついてきてこう言った。
「僕……忙しくて
何にも用意出来てないから」
なんだそんな事か。
本当に暁らしい。
「そんなのいらないよ?
俺は暁の笑顔が見たいだけ、
暁は隣で笑っていてけれれば
俺はそれだけで十分なんだよ」
暁はポロリと大粒の涙を
零しこちらに顔を上げる。
俺は涙を吸い取るようにキスをした。
「大和………」
「泣かないで?付けてあげる」
俺は箱からクロスの
ネックレスを出すと、
そのまま暁の細い首に
チェーンを回してつけた。
「これ絆がテーマ何だって、
指輪じゃ色々邪魔になるだろうし、
でも身につけて
欲しいからこれにした、俺流の愛の証」
俺の言葉に暁は涙を拭き
クロスを握りしめると
最高の笑顔を見せる。
「有難う大和、大事にする」
俺はその笑顔に顔が赤くなるけど
暁は構わず飛びついてきた。
あー本当、どうしようもないくらい
愛おしい。だから訊かなくちゃ。
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