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おまけSS 司side

司side  泣き止むまで腕の中で宥めていた はずがどうやら泣き疲れて寝てしまった ようで、暁はスースーと寝息を立てている。   俺は暁を起こさないよう自分のベッドへと運んだ。 「相変わらず軽いな……」  もう少し太ればいいのに。 よく食べるのにこの軽さ。 ふと目に留まる寝顔。俺が一目で気に入った その綺麗な顔立ちは 泣きはらした目で真っ赤に腫れている。 「……」  暁は最後に有難うと言った。 俺は何もしていないのに……。 出会った頃はまだ幼い顔を残していたのに いつの間にか大人になっていくんだなと。 「ただいま」  どれくらいそうしていたのか、 背後で聞こえたその声にふと我に返った。 「お帰り……もうそんな時間?」  僅かにドアを開け顔出す颯真。 時計を見れば夜中の一時を回っている 「暁、寝たのか?」  俺は暁を起こさないよう部屋を出る。 「泣き疲れて寝ちゃったんだ」  颯真に経緯を話すと複雑な顔した。 「お前はそれでいいの?」  普段はクールな顔をしているのに こんな時は俺に気を遣う。 「いいんだ、寧ろその選択肢を与えない 自分は考えられない」  勿論、これから先も暁と仕事をしていけたら 俺はきっと幸せだろうと思う。どんなに探したって 暁以上に最高なパートナーはもう見つからないって 分かっているから。でも——。 「暁がもし辞める選択肢をしても俺との 関係が無くなるわけじゃない」  この時、自分がどんな顔してたかなんて 分からないけど、颯真は少し間をおいて そうかと静かにそう言った。 「大和君心配しているでしょ?  今日は家に泊まらせるって メールしとかないとね」  颯真は難しい顔して 「暁の寝顔見てくる」  そう言って奥の部屋へ行った。 颯真は暁を猫可愛がりしている。 本当は二人のこれからだって 誰より心配しているはずなんだ。 でもプライドが高いから 大和君の前では意地悪をする。  子供なんだか大人なんだか……。 「颯真、何か食べる?」  部屋を覗くと心配な顔をして 暁を見つめている。 「俺の事はいいから、お前も寝ろ。 明日結果出るんだろう?」  ああそうだ。オーデイション結果明日だった。 神崎君になったら暁はどうするのだろう。

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