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第2章第46話

 啄むキスから徐々に重なる時間が 長くなる。舌を絡め合うその隙間から 漏れ出る暁の鼻に掛かった声は俺の理性を消した。 「んっ……んん」  暁のキスはいつも以上に積極的で 自ら俺の舌に絡みついてくる。 俺はそれに応えるのに必死で 夢中になって暁の口内を味わっていると、 狭い玄関のドアに暁を追い込んでいた。  いけない。まだ時期的に寒い季節。 こんなとこで脱がせでもしたら 風邪を引かせてしまう。  僅かに残る正常な意識でハッと して俺は重ねていた唇を離した。 「……なんで?」  暁は明らかに不満を口にする。 俺に向けられた目は少し潤み 頬は僅かに染まっている。 その表情は出会った頃より大人びて艶やか。 俺は思わず喉を鳴らした。  言葉にするより行動。 俺は暁を抱きかかえベッドへ。 靴を脱がせ玄関に置いてくる 余裕すらなく床に放って 俺は暁の上に覆い被さった。 「……大和」  その目……碧く澄んだその瞳を 潤ませて上目遣い。無意識にやっているのか わかってやっているのか……。 とにかくその綺麗な顔でそんな目を向けられたら 少なくとも俺は降参です。  暁がもう一度俺の名前を呼び掛けた ところで俺は唇にむしゃぶりついた。 「んっん……んっ」  歯列を割って侵入した舌が 暁を捉えると俺はすかさず絡めとり 吸い上げる。腕の中の身体が僅かに ビクンと震えたのを合図に 俺は激しく貪りながら服に手をかけた。  この季節にしては脱がせやすい服。 露わになった胸元は少しだけ冷たい。  散々口内を味わってから 暁の白く綺麗な首筋に移動し始めると 荒い呼吸の中僅かに声が漏れる。 「……ぁ」  香り立つ柑橘系の匂い。 自分の証を残したい衝動を必死に抑え、 首筋から鎖骨、胸元へと下りていく。  「んっ……」  視界に入るピンク色に俺の唇が 触れると暁は身体を仰け反らせた。

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