159 / 214

第2章第20話

もっと欲しいなんて やらしい考えしながら 大和が隣に座り もう一度キスをしようと 互いの顔を近づけた時 扉のノック音。 「うっ………」 折角久しぶりに イチャイチャしてたのに 僕は思わず声を漏らす。 そんな僕に大和は苦笑いし 頭をポンポンすると はいと返事をし 鍵を外すと外側から 勢いよくドアが開いた。 「鍵閉めてなにやってんだ」 明らかムスッとした台詞で 入って来たのは颯真。 僕を視界に捉えると 溜息を吐いた。 「暁、司に怒られるよ」 颯真の言ってる意味は 理解してるけど…………。 「久しぶりなんだから ちょっとくらい許してよ」 僕達のやりとりに 大和はちょっと焦った顔してる。 きっとバレてるのか! 的なんだろうと 可愛くて内心笑ってしまう 僕は意地悪だろうか? でも────、 「とりあえず大人しく戻るけど 大和、今日は一緒に帰ろうね」 「えっ……」 大和はちょっと驚いて 直ぐに顔を赤らめた。 カッコイイのに内面は可愛い! 僕はクスッとして再度確認。 「分かった?」 ドア越しに顔を出すと 大和は照れながら頷く。 僕は抱きつきたい衝動を 必死に抑え視線が颯真に 移ると僕達のやりとりに 難しい顔してる。 その表情の意味が 示すものは分かっているけど 僕は触れなかった。 ごめんね────大和。 「じゃあまた後でね」 僕は何事もない振りで ヒラヒラとドア越しに手を振り 大和の楽屋を後にした。

ともだちにシェアしよう!