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第2章第21話
大和side
あー俺の天使が行ってしまった。
あからさまに肩を落すと
逢坂が思いっきり溜息を吐く。
「はぁ……お前分かってる?」
キツイ目がより鋭くなる。
逢坂が言いたい事は
分かっている。
「結果は数日後には出るからな」
「……はい」
どちらにしても今俺が
出来る事はやった。
後は祈るしかない。
逢坂は言い足りなそうな
顔をしてるけど、
ソファに腰を下ろし口を開いた。
「それからお前引越しさせるから」
ん?引越し?
俺は鏡越しに逢坂を見る。
「雑誌が発売するのに
今の住居じゃ駄目だ!
とりあえず暁の部屋の隣が
空いてるからそこに引っ越せ」
「え!?暁の隣?
いいんですか?」
はっきり言って俺には嬉しすぎる
条件なんだけど。
「その方が都合が良いんだよ」
逢坂は煙草に火を点けながら
マスコミとか色々な面で
事務所的にもそれが
1番無難だと結論が出たと
面白くなげに話した。
「親の許可取っておけよ」
慣れない手つきで
メイクを落としつつ
浮かれながら返事をすると、
逢坂は煙草の煙と共に
再び深い溜息を吐いた。
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