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第2章第49話

 肉壁を擦り上げながら弱点を 何度か突くと、腕の中の暁は 白い喉を見せ仰け反る。 「んっ……ぁんん」  必死に押し殺す声と乱れる姿に 思わず俺は律動しながら喉にしゃぶりついた。 「んっ……ぁぁん」  いつも煽られっぱなしの俺。 だけど今日は違う。もっと乱れさせたい。 もっと感じて欲しい。そう思って、 容赦なく内部を犯す。 「やっ……そこ……だめっ……」  いつもなら悦んで啼く場所。 けれど今日は言葉も腰も逃げ腰。 俺は構わず細い腰を掴んで引き戻し、 嫌がる場所を激しく突くと暁は一層乱れた。 「らっめ……やっ……ぁああ」  奥に深く突き上げた瞬間、 暁の身体はブルッと震え 身体を大きく仰け反らすと中がキュッと締まった。 俺は思わず持っていかれそうなのを 歯を喰いしばって耐え達した筈の恋人に視線を送る。  確かにイッたはずなのに どこにも吐き出した白濁は見当たらず、 俺は初めての経験に一瞬混乱する。  もしかしてドライってやつ? なんにも知らないと恥ずかしいって こっそりネットで色々調べて知った 知識に辿り着くと俺は興奮した。  腕の中で乱れたまま呼吸する 暁を見て俺は止めていた動きを再開した。 「待っ……やぁ……ああ」  律動する度、痙攣でもしているんじゃないかと 言うくらい暁の身体は敏感に反応し、 声は抑えきれないほど乱れていった。  それでもこんな可愛い声誰にも 聞かせたくなくて、俺は 激しいキスで口を塞ぐ。  互いに重ね合わせる肌は汗だくで 俺が動く度濡れた音とベッドの軋み音が 耳をつけば再び波はやってくる。  恋人の綺麗な瞳から生理的な涙が 枕を濡らすと、俺も限界で 何度目かの律動の後、 暁が吐き出す白濁が解放された瞬間、 俺も熱い欲望を奥深くぶちまけた。  暁はふっと意識を手放し 俺も崩れ落ちるように覆い被さる。  呼吸を整え数分。 閉じたままの瞳に残る 涙の跡を手で拭い取ると 嫌でも現実に引き戻された。  愛おしい恋人がどんな顔で 自分以外の男と仕事をするのか……。 理解したい気持ちと、 それを許した情けない自分。 なんとも複雑な気持ちが俺の中で 混ざりあって俺はそっと溜息と吐いた。  

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