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第1章第2話

次の日学校帰り、俺の周りには 数人の女が取り巻いている。 きゃっきゃ言いながら くだらない話に夢中。 女っておしゃべり好きだよな……。 ちょっと前まで ホテルに連れ込んで 好き放題やっていた 自分が信じられない。 「ねぇ、大和君 今日どっか行こうよ」 1人の女が俺の腕を取りベタベタ……。 「え~ズルい、 大和君私とホテル行こうよ」 もう1人が俺を引き寄せ大胆宣言。 てか、こいつら……。 「わりぃ……俺そう言うの もうやめたんだ。俺帰るから」 組まれた腕を引き離し手を振り退散。 「え~つまんない」 背後からブーイングの嵐だが 俺は気にせず学校を後にした。 思いのほか脚早に……。 だって今日は雑誌の発売日。 あの日からAKIが載っている 雑誌は全て購入している。 ルンルン気分で本屋に入り 中身を確認すると 数冊の雑誌をまとめ買い。 ヤバイな……今日も夜は1人で……。 俺は買った雑誌を大事に 抱え近道を行く。 早くゆっくり見たいから。 ご機嫌でいつもの曲がり 角に差し掛かると 突然の衝撃。 「きゃ…………」 「っ………て」 前を見ずに歩いていたから 誰かとぶつかったらしい。 直ぐに起き上がり、 俺とぶつかった衝撃で 相手のだろう帽子を広いあげ 「ごめん、大丈夫?」 「は、はい、すいません」 帽子を受け取る とこちらに顔を上げ一言。 だが、俺はその瞬間固まった。 「…………」 あまりの事に言葉が出ない。 だって……その顔はまさしくAKI……。 思考が停止する。何故って? だって目の前にいるのは どうみても男の子だ。 それにAKIな筈が無い。 俺は目を擦りもう一度確認する……。 落ち着け……。 しかし顔はやっぱりAKI……、 だけど…目が碧くない。性別も……。 「あの、これ」 ぶつかった拍子に 落ちた大事な大事な雑誌。 「あ、悪い」 「本当にすいませんでした」 頭を軽く下げ俺から離れていく。 ちょ、ちょっと待った……。 いや、待て……そんな筈無い。 俺の好きなAKIは女だ。 断じて男じゃない。 もたもたしている俺を他所に どんどん離れていく。 ヤバイ……本当に俺は重症だ。 苦手な男がAKIに見えるなんて。 結局声を掛けぬまま 彼は行ってしまった……。 でも……似ていた……いや、 そっくりだった。 ヤバイ位……違うのは性別と あの印象的な碧瞳……でも 「……………………」 雑誌だけしか知らない…… カラコンと言うこともある。 年上なのか下なのかも分からない。 何も情報がないのが現実だ。 さっきぶつかった子が 女だったら良かったのに…。 少し気にしながらも 俺は自宅に帰った。 俺にとって男は苦手としか言えない。 根っから女好きだ。 だからAKIに瓜二つ=男だと 全ては然結びつかない。 「夢だったのかな……」 ベッドに寝転がり独り言。 つい先程の事なのに 夢のような感覚。 彼が彼女なら 飛びついていたかもしれない。 少々自分に呆れながら、 その日も雑誌片手に 妄想の夜を過ごした。

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