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第1章第11話

…………………… …………………… ………………………………ドクンドクン 目の前に飛び込んできた 姿は女では無かった。 だけどその美貌は 俺の目を釘付けにするには充分過ぎる。 「紹介する、AKIだ」 ドクンとまた脈打つ。 「AKIこちら九条大和君」 広瀬さんが俺を紹介すると 一歩前に歩み寄り 「こんにちは」 その声は確かに女の声色ではない。 けれど────彼はニッコリ微笑んだ。 や、ばい……。AKIの笑顔が 俺に向いている。そう思うだけで 俺の身体はカーッと熱くなる。 男だと頭では分かっているのに 気持ちが止められない。 それどころか身体が欲情する。 マジでヤバい……。 「大和君?大丈夫?」 「す、すいませんトイレお借りします」 そう言って俺は部屋から 飛びたしトイレに駆け込んだ。 一番奥の個室に籠ると座り込む。 マズイ……男の姿に欲情した。 昨日の夢が頭をチラつく。 落ち着け…………。 何度も呪文のように言い聞かせる。 …………ドクンドクン。 俺が高鳴る鼓動を鎮める頃────。

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