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第1章第41話
ドキドキしている俺を
他所に暁はこう続けた。
「あのね、今度いつ事務所に来るか
司から訊いてる?」
そう言えばまだ何も……。
「いや、確認してみないと」
上擦りそうな声を必死に抑え平常心を装う。
「実はね今度会ったら話したい事があるんだ、
行き違いじゃ嫌だから分かったら
教えてくれない?」
だ、大事な話?なんだろ……。
「はな……しって?」
「う~ん、電話じゃちょっと……、
会ったら話すね」
う、暁から話……すげー気になる。
しかも暁の声はどこか楽しげ。
「分かった広瀬さんに連絡してみる」
「じゃあメールして?待ってる」
俺が返事をすると、またねと
呆気なく電話を切られてしまったが
余韻に浸る場合じゃない。
俺は急いで広瀬さんに連絡を取った。
広瀬さんの話だと今度の土曜日に
正式に契約をしたいから
1時に事務所に来て欲しいとの事。
俺は電話を切ると直ぐに暁にメールを打った。
数分後暁からの返事。
「その日なら事務所にいるから待ってるね」
「分かったじゃあ土曜日」
そう返事を返した直後
昼休みが終わるチャイムが鳴る。
土曜日まで後3日……。
俺は逸る気持ちを抑え
それから3日間を過ごした。
早かったような長かったような……。
俺は予定より少し早く
事務所を訪れ正式な契約を結んだ。
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