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第1章第42話

「それでは失礼します」 広瀬さんと共に社長室を後にする。 俺は軽く息を吐いた。 「緊張した?」 「え、まあ……少し」 俺の様子に広瀬さんはクスクス笑う。 「まあこれで正式に契約が済んだ、 学校の方は問題ないかな?」 「大丈夫です、うちは校則自由だし 大学まで一貫だから課題は多いですけど」 「それなら良かった、一応こちらでも 学校には話を通しておくよ」 「はい、お願いします」 契約書にサインをする前に、 社長に会ってもらいたいと連れて来られた。 これだけの大きな事務所の社長となると 厳しい人……。そうイメージしたが 会ってみればかなり穏やかな人で、 終始笑顔頑張って欲しいと それだけを言われた。 「暁と約束してるんだろ?」 「え、はい……何処にいますか?」 「暁なら朝まで仕事してたから 多分休憩室で休んでると思う」 俺は場所を訊き、帰りに顔を出すと 約束をし広瀬さんと別れた。 契約よりよっぽど暁と会う方が緊張する。 俺は広瀬さんに言われた通り エレベーターで階を移動し 部屋を探しながらキョロキョロ。 「確かこの辺……」 あ、ここだ。部屋の前暁の話とはなんなのか……? 僅かに心臓が早まる……。 俺はスーと軽く深呼吸をし ドアをノックした。

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