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第1章第45話

スーっと軽く深呼吸した暁は 真っ直ぐ俺の顔を捉え 俺もその顔に視線が外せない。 「大和……僕」 ごくり。俺は思わず生唾を飲み込む。 「好きだよ……大和が」 好き……確かにそう言った。 思いもよらない言葉に 俺の身体はカーッと熱くなる。 「き、す……しようとしたんでしょ?」 やっぱりバレてる……。 更に俺の身体は熱を帯びた。しかし、 微妙な距離にいた暁が俺に歩み寄る。 俺は、無意識に一歩後ずさり。 けれど背後は扉で阻まれている。 戸惑う俺を他所に暁は俺の首に腕を絡め 「僕の事好き?」 す、好きです。大好きです!だけど あまりに急な展開に言葉にならない。 俺は口を開けたまま、呆然とするだけ。 「キス……して?それが答えでいい」 え────! 暁の綺麗な顔がどんどん近づく。 互いの鼻先か微かに擦れた。 ドクン──── 「してくれないの?」 暁は僅かに寂しいそうな表情を見せた。 もう……駄目だ。 俺は暁の腰を引き寄せ その柔らかな唇を塞いだ。 「ん……」 本当に触れるだけの軽いキス。 それも一瞬……。直ぐに離れ暁を見つめる。 「……もっと……」 そう言って今度は暁から重なる唇。 「……っ」 啄むように何度か離れては重なる。 暁がくれるキスに 俺の理性は完全に持っていかれ ギュッと抱き寄せると 舌でノックする。 暁は応えるように僅かに隙間を作り 俺はすかざず歯列を割り 暁の口腔に舌を滑り込ませる。 「んっ……んぅ」 暁の舌は逃げるどころか 自ら俺に絡み付いてくる。 静まり返った部屋に僅かな水音がし 絡めては吸い互いに角度を変えながら 深まるキス。 やばい……積極的……。これ以上したら 俺の下半身が持たない。 「あ、暁……」 俺は重ねた唇を離し熱烈な暁を止めた。 暁は、はぁ……と声を漏らし こちらに視線を向けると 俺達はクスクスと笑った。 鼻先をつんと擦り合わせ 「俺も暁が好きだよ」 そう言って腕いっぱいに暁を抱きしめると 暁は嬉しいと言って 俺の腕の中で綺麗に微笑んた。 まだ夢を見ているのか?いや……夢じゃない。 だって暁の温もりを確かに感じるから。

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