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第1章第46話

う……この体勢は……暁がどうしても こうしたいと、俺の膝の間に ちょこんと座り後ろから 抱きしめる形になっている。 暁のつけている柑橘系の香りが 鼻をくすぐり細く白い首筋が 目の前で顕になっていた。 なぜ今日に限ってハイネックじゃない! 回した腕も暁の身体の ラインをはっきり捉え 見ている以上に華奢だと分かる。 それが余計に俺を煽り、 俺はごくりと思わず生唾を飲んだ。 だって……今すぐ首筋にしゃぶりつきたい! 舌を這わせて吸いつきたい。 襲いたい衝動を必死に抑え 俺はブンブンと首を横に 振り欲情を振り払う。 「……まと……大和!訊いてる?」 「え…………」 俺はまた自分の世界に浸って 暁が何を言っていたか まるで訊いてなかった。悪い癖だ。 「もぅ……エッチな事でも考えてるの?」 え……っ!ヤバイ。 俺が焦りを見せると 暁は体勢を器用に変え こちら向いてニヤリと笑う。 「あ、暁?」 「……下硬いよ」 その言葉に俺の顔は火を吹いた。 密着しているからダイレクトに 暁に伝わっている。バレバレだ……。 俺は耳まで真っ赤にし、暁の肩越しに 顔を埋め暁の視線から顔を外した。 頼む────俺を煽らないで!

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