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第1章第48話

密着しながら俺は訊いてみる。 「暁……いつから?」 暁は、俺の胸元に 埋めていた可愛い顔をひょっこり出し 「ん?」 軽く首を傾け俺の顔を見つめる。 「いつから好きって思ってくれたの?」 暁はあ~と納得しチラリと 視線を俺に合わせると 素直に答え始めた。 「この前子供助けたでしょ?」 「子供?」 「ランチした時」 まるで頭に無かった答え 「それが?」 俺にはそれが?なんだけど、 どうやら暁は違うようで……。 俺の頬に軽くキスを落とすと 身体を離れ隣に座る。 「優しいなって……あれが 自然に出来るって格好良いなって思った」 暁の言葉に俺はキュンと胸が高鳴る。 だって自分には大した出来事では なかったからなんだか凄く嬉しい。 「でもね……多分最初から……」 え?最初?…………? 突然の告白にびっくりしながら 頭をフル稼働させ言葉を選ぶ。 「……事務所で会った時?」 本当は違う場面を想像した。 だけど、暁の言う最初が想像通りなのか 俺はドキドキしながら答えを待つ。 それを知ってか知らずか暁はクスッと笑い 「違う本屋の近くでぶつかった時」 暁はそう言って悪戯っぽく舌を出す。 俺の心臓はドクンと脈打ち ずっと訊けなかった謎が一本に繋がった。 「今こうしてるのは 偶然じゃない?そう云う事?」 広瀬さんが俺に声を掛けたのも 女じゃないと教えたのも…… 暁が仕掛けた……そう云う事? 答えを待つ俺に暁は微笑むと耳許で そうだよ……。そう囁いて 俺の顔を両手で包み込み ゆっくり唇を重ねて来た。 あ~あやっぱり夢かな? 俺こんなに幸せでバチが当たりそう……。

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