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第1章第49話

暁side 軽い口付けの後 僕はふと時計に視線を向ける。 「仕事?」 「うん、でももう少しだけ……」 密着していた身体を離し 僕は僅かに乱れた衣服を直すと 大和の顔に視線を合わせた。 彼の顔はほんのり赤く 照れたような表情を浮かべてる。 可愛い……思わずそんな事思ったりして 「本当はね、まだ言わないつもりだった」 「え……?」 「好きって……まだ黙ってるつもりだった」 僕は話しながら休憩室に備えてある コーヒーメーカーで2人分用意すると 大和の隣に腰を下ろす。 「……じゃあどうして?」 「司にね言われちゃった。 僕アメリカ生活長いから 好きって気持ちを表すのなんか ズレてるみたいで それじゃあ混乱するだけだって」 僕はふーふーしながら コーヒーをごくりと飲むと 大和は照れくさそうに口を開いた。 「た、確かにビックした…… どう受け止めれば正しいのか分からなくて パニックったよ……」 「へへ、ごめんね?僕言葉より行動のが 先に出ちゃうみたいで」 大和の赤い顔が更に赤くなるのが分かる。 僕より身体も大きくて男前の顔してるのに。 綺麗な二重、整った眉に丁度いい高さの鼻。 ついついキスしたくなる唇。 僕のストライク! 大和が一口コーヒーを飲んで 置いたのを見計らい僕は再び抱きついた。 「あ、暁?」 大和の上擦る声に僕はクスクス笑いながら 「もう少しこうしていたい」 本当はね少しだけ怖かった。 好きでいてくれてるのは 司に訊いて分かってるけどそれでも 男と云う事実は消えないから。 甘える僕を大和は少し戸惑いながら もう一度力強く抱きしめてくれる。 ずっとこの腕な中にいたいけど……。 「そろそろ行かないと……」 寂しそうに言ってみせると 大和は優しく髪を撫で 「連絡して……待ってるから」 そう言って僕の瞼に軽くキスをしてくれた。 僕は遅くなっても必ず連絡をすると約束をし 何度も振り返りながらその場を後にする。 まさかこの夜大和が 僕の為にあんな事してるなんて 想像もしないで……。

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