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第1章第53話

し、視線が痛い……。 これはバレているのか? 周りを意識してみるが 誰も声は掛けてこない。 バレてはいないのか……。 落ち着かない俺を他所に 暁は腕を組み俺に密着……。 そう言えば暁って……。 「あ、暁身長いくつ?」 「身長?確か173だったはず」 通りで目線が近いはず。 恐らくブーツのヒールを 入れて180近くはあるはずだ。 俺が185だから…………俺は軽く頭を抱えた。 「そりゃ目立つわ……」 「ん?なに?」 「いや……なんでもない」 暁はこの視線が気にならないのだろうか? 訊いてみようかとも思ったが 折角のデートだし 周りを気にするのはよそう……。 でも、その前に……。 「暁……ちょっとトイレ」 「トイレ?」 「う、うん」 「分かったじゃあ……あそこで待ってる」 「悪い……」 俺は慌てて近くのトイレに駆け込む。 まさか女装で来るとは思ってないから 何だか緊張してしまった……。 「でも……暁……トイレどうすんだ?」 まさかあの格好で男トイレか? いやでも女性用? 用を足しながらそんな事をぐるぐる 考えながらさっさと済ませると 手を洗い暁の元へ戻るれば なにやら物騒な声が聞こえてくる。

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