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初えっち編 2☆

「よし、じゃあ始めるぞ」 「はい」 僕が先輩の言葉にうなずくと、先輩は気持ちを切り替えるように大きく深呼吸した。 「高橋、俺、お前のことが好きなんだ」 夢にまでみた先輩からの告白は、それが再現で、単なるマンガのセリフの一つに過ぎないと分かっていても僕の胸を熱くさせた。 思わずぽおっとのぼせてしまったが、先輩が僕の答えを待つようにじっと僕を見つめているのに気付いて、僕はあわてて自分にテンプレテンプレと言い聞かせながら、『初えっち編』にふさわしい答えを口にした。 「僕もです。  僕も先輩のこと、前からずっと好きで……」 ちょっとばかり力が入りすぎてしまったが、どうやら僕のセリフはテンプレの範囲内に収まっていたらしい。 先輩は「高橋!」と言うとガバッという擬音が似合いそうな勢いで僕に抱きついてきた。 大好きな先輩に抱きしめられる幸せにくらくらしつつ、僕は反射的に「先輩……」とつぶやく。 テンプレなら、たぶんここでキス、と目を閉じて上を向くと、予想通り、唇に柔らかいものが触れた。 キスはエロ漫画にふさわしく、最初から舌を絡める情熱的なものだった。 とはいうもののキスの経験もない僕は先輩の激しさに応えることも出来ず、一方的に絡められているだけだったのだが。 抱きしめられ、キスされながらさりげなく誘導され、気付けばベッドに押し倒されていた。 先輩の真剣な眼差しに見下ろされ、心臓が破裂しそうにドキドキする。 そのまま耳元に口づけするように、先輩の顔が近づいてくる。 その拍子に先輩の体からふわりと石けんの香りがただよってきて、僕は唐突にあることに気付いた。 「先輩、待って!  僕、シャワー浴びてないです!」 汗臭い匂いを嗅がれてはまずいと慌てて先輩を押しのけると、先輩はなぜか急に驚いたような顔になった。 「お前……。  もしかして初えっち編も読んだ?」 「え? 読んでませんけど……?」 「うわ、じゃ偶然かよ……、まじか……」 先輩のつぶやきで、僕は素に戻った上での言動が、完全に先輩のマンガと一致していたことを知る。 「す、すいません……。  僕、素でテンプレ通りでしたね……」 「いや、いい、その調子で頼む。  ちょっと感動したわ」 「あ、はい……」 その調子で、と言われても単純に素だったのでどうしていいか分からず、とりあえず僕は先輩から手を離して力を抜く。 「そのままでいいよ。  お前の匂い、なんかいい匂いだから……」 そう言って、くんと首筋の匂いを嗅いだ先輩の言動はまさにテンプレ通りだった。 本当は臭いですよね、すみませんと僕が心の中で謝っていると、先輩が僕のTシャツを脱がせてきたので、体を浮かせてそれを助ける。 「あっ…」 僕のTシャツを脱がせた先輩に続けて乳首を触られ、僕は思わず声を上げた。 実は先輩のことを想像しながら自分でちょっとだけいじってみたこともあるのだが、その時はたいして感じなかったのに、先輩の指だとちょっと触られただけで嘘みたいに感じてしまって、我ながら驚いてしまう。 「ここ、感じた?」 いつもよりも少し低い、男を感じさせる声で確認され、僕は真っ赤になりながらもうなずく。 「もっと触って欲しい?」 「……はい…」 少し意地悪い感じで聞かれ、僕は恥ずかしく思いながらも消えそうな声でなんとか答える。 「かわいいな……。  よし、もっといっぱい触ってやるからな」 そう言うと先輩は片方の乳首を指で触ったまま、なんともう片方の乳首に舌を伸ばした。 「あんっ……!」 それは嘘みたいに気持ち良くって、僕は素でエロ本みたいな喘ぎ声を上げてしまう。 けれどもそれも先輩には単純に再現する上での演技だと思ってもらえると思うと気が楽で、僕は我慢することなく恥ずかしい喘ぎ声を上げ続けた。 そうして僕が乳首への刺激に夢中になっていると、ふいに先輩が僕の下半身のナニをすっと撫でてきた。 「あっ!」 「ここ、もうこんなにしてたんだな。  ほっといて悪かった」 そう言うが早いか、先輩は僕のズボンとパンツを一気に脱がせると、先輩の言葉通りに恥ずかしいことになっていた僕のアレをいきなり口に含んだ。 「ちょ、待って先輩!  駄目ですって!」 突然のことに慌てて大声を出すと、先輩はいったんナニから口を離して僕をじっと見つめた。 「やらせろよ。  見たいんだよ。  お前が感じるところ」 テンプレ通りのそのセリフを、先輩はくらくらするくらいに男っぽい表情で言った。 そんな先輩に僕が逆らえるはずもなく、おとなしく力を抜くと、先輩はにやっと笑って、再び僕のモノを口に咥えた。 「…んっ…、やっ……ぁん……」 自分のセリフを行動で表現するように、先輩は口を動かしながらも僕から視線を外さない。 憧れの先輩に奉仕されているというこの状況はただでさえ興奮するのに、先輩の口の中が熱くてすごく気持ち良くって、僕はたちまち音を上げる。 「先輩っ…!  もう、だめっ……イクっ……!」 「いいぞ。  イけよ。  お前がイクとこ、俺に見せろ」 僕のナニから口を離した先輩はそう言うと、手で僕のモノを根本からぐいっと擦り上げてきて、僕はなすすべもなく先輩の手の中に白いものを吐き出していた。 「いっぱい出たな」 「す、すみません……」 決して誇張ではない先輩の言葉に僕が反射的に謝ると、先輩はにやっと笑った。 「悪かったと思うなら、今度はお前が俺を気持ち良くしてくれるか?」 「あ、はい……」 僕が先輩を、というと、同じように口ですることを求められるのか、それとも……と思っていると、先輩は僕の頭の方に手を伸ばして、ベッドの枕元のティッシュを取って手を拭いた。 それから立って、さっき出してきたローションを持ってきたので、これはいよいよ……と僕は身構える。

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