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淫乱(ビッチ)高校生編 2★

キッチンで、ビッチビッチと自分に何度も言い聞かせてから、僕は再び扉を開けた。 「せ……」 セリフを言いかけてから、ふと思い出して、僕は振り返って扉に鍵をかけるふりをした。 先輩は机に向かって座っていて、こっちには背を向けているから別にやらなくてもいいのだけれど、そこは気分の問題だ。 「せーんせ」 先生に懐いているかわいい高校生、という感じで、僕はなれなれしく後ろから先輩に抱きつく。 どうせビッチをやらなければいけないのだから、この際、味わえる役得は思う存分味わってやろうと、僕は半ばやけくそな気分になっている。 「おお、高橋か」 抱きつかれた先生役の先輩の方は、ちょっと困ったけど、まんざらでもないといった顔つきをしている。 「先生、僕、今回のテストがんばったでしょ?」 「そうだな。  前回より20点も上がってた。  よくがんばったな」 えらいえらいと言いつつ頭を撫でてくれる先輩に、僕はえへへと照れ笑いをしてみせる。 「先生と約束したから、すっごくがんばったんだよ。  テストの点数上がったら、僕の欲しいもの何でもくれるって、先生、約束してくれたよね?」 「おお、そうだったな。  お前、何が欲しいんだ?」 「もう、分かってるくせに……。  あのね、先生の、ち、ち○ぽ…、ちょうだい♪」 僕自身は開き直っていたつもりだったのだが、やっぱりまだビッチになりきれていなくて、放送禁止用語を言う時にちょっと噛んでしまう。 「まあ、そんなことじゃないかと思ってたけどな。  お前、ほんと好きだな」 「先生だって好きでしょ?」 「ま、嫌いじゃないけどな」 会話をしながら、僕は先生を誘惑するように、向かい合わせに先輩の膝の上に座る。 と、その途端、椅子がぎぎぎぎっと不穏な音を立てたので、僕は慌てて立ち上がってしまった。 「あー、この椅子に二人はちょっとヤバそうだな。  椅子に座ってるつもりで、ベッドでやるか」 「はい」 素に戻った先輩の言葉にうなずいて、二人でベッドに移動した。 足は床に下ろしたままでベッドに深く腰掛けた先輩の足の間に、僕は先輩の後方に足を伸ばした形で座る。 「あ、鍵かけないとまずいな」 「大丈夫、ちゃんとかけといたよ」 僕が答えると先輩はマンガの通りにくすっと笑った。 「さすが高橋、準備がいいな。  それじゃ、ご期待に応えないとな」 そう言うと先輩は僕のブレザーのボタンをははずし始めたので、僕の方も先輩のチノパンのベルトをはずし、ファスナーを開けて先輩のナニを取り出した。 取り出した先輩のモノは、すでにちょっと固くなってくれていて嬉しい。 その間に先輩は僕のカッターシャツのボタンを下からはずしていて、すぐに僕はブレザーは肩から落ち、カッターシャツは一番上のボタンとネクタイだけはそのままだが、それより下は全開の乳首丸出しという、エロ恥ずかしい格好にさせられた。 「あんっ…!」 さっそく僕の乳首をきゅっとつまんだ先輩に対抗するように、僕も先輩のモノを握った。 考えて見たら僕のモノは何度も先輩に触ってもらったが、僕が先輩のモノを触るのはこれが初めてだ。 僕のよりも太いコレが、いつも僕を気持ち良くしてくれているんだと思うと、触っているだけでイキそうな気持ちになってくる。 いや、僕は今、ビッチなんだから、こんなの慣れてるんだからと再度自分に言い聞かせて、僕は先輩のモノを勃たせようと擦り始めた。 自分の乳首を先輩に触られているのであまり集中出来なかったが、それでも自分で感じるところや、いつも先輩が触ってくれるところなどを熱心に刺激し続けていると、先輩のモノはだんだん大きく固く育ってきた。 あ、これ楽しいかも。 こうしていると、僕の手で先輩が気持ち良くなってくれているのが目に見えてわかって、何だかワクワクしてくる。 出来ればこのまま僕の手でイッて欲しかったけれど、再現中なのでそういうわけにもいかなくて、僕は次のセリフを口にした。 「先生、もうコレもらってもいい?」 「ああ、いいぞ」 息を乱した先輩のセリフにくらっとしながら、僕は次の手順を思い出す。 あ、そうか、ゴム……。 マンガの中ではこの後、僕がポケットに入れてきたゴムを先生につけることになっているのだが、僕はそのゴムを用意していなかった。 けれどもしかして、と思ってポケットに手を入れると、先輩が入れておいてくれたらしく、ちゃんとゴムが入っていた。 ありがたくそれを取り出すと、僕はパッケージを開けて大きくなった先輩のモノにゴムをかぶせた。 童貞の僕は本来の用途でゴムを使ったことはなかったけれど、高校の頃に友達と興味本位で買って分け合い、試しにつけてみたことはあったので、なんとかつけることが出来た。 僕がいったん先輩の膝から降りてズボンとパンツを脱いでいる間に、先輩はゴムの具合を確かめていたが、問題はなかったようなので、僕は再び先輩の膝の上に乗った。 先輩がマンガの通りに僕の後ろの穴に指を伸ばしてきたので、僕もマンガのセリフを口にする。 「あ、トイレでほぐしてしてきたから、すぐ出来るよ」 「お前、本当に準備いいな」 「だって、早く欲しかったんだもん。  ね、いいでしょ?」 「ああ、いいよ」 「わーい!」 喜んだ演技をしてから、僕は先輩のモノを手にとって自分の後ろに当て、ゆっくりと腰を落としていった。 自分から入れるのは一応2回目だし、先輩が先にちゃんとほぐしておいてくれたおかげで、僕は先輩のものをすんなりと飲み込むことが出来た。 先輩のモノを体の中に収めきった僕は、演技だけではなく満足げなため息をついた。 「ああ……すごいっ…。  先生のち○ぽ、おっきくて固くてホント最高!  先生、だーい好き!」 「お前、そんなこと言って、男のち○ぽだったら何でも好きなんだろ」 マンガのセリフ通りの先輩の言葉に、僕はなんだか胸がちくっと痛んだ気がした。 「そんなことないよ?  今は、先生のが一番だもん」 自分のセリフを言いながら、僕の胸はまた、ちくちくと痛む。 大丈夫、これは単なるセリフだから。 本当の僕は今も昔も先輩のしか知らないし、一番も二番もなくて先輩だけだけど、今は再現の最中で、僕はビッチな『祐人』なのだから平気だ。 自分にそう言い聞かせて、僕はマンガの中の『祐人』になり切ろうと努力する。 先生役の先輩に好色そうな笑みを浮かべて見せてから、僕は先輩の上で動き出した。 がんばってはみても僕は本当のビッチではないので、マンガの中の『祐人』のようなテクニックで先輩のことを愉しませることは出来ないけれど、それでも精一杯先輩の上で腰を振る。 先輩も僕のモノを触りながら下から突き上げてくれて、僕たちは次第にいつものように二人して快感に溺れていく。 やがてゴム越しに先輩が達した気配がして、その頃には僕もほぼ同時に達していた。 まだ整わない荒い息のまま、僕はなんとか先輩ににっこりと微笑みかけてみせて、最後のセリフを口にする。 「あー、気持ち良かった!  先生、またしようね」 「ああ、そうだな。  高橋が勉強もちゃんとがんばるんだったら、またしてやるよ」 先生役の先輩がそう答えて、再現は終わった。 ああ、終わった、と気が緩んだ途端、僕は自分の頬にあり得ないものが流れ出す感触を感じた。 気が動転した僕は、すぐさま先輩の上から降りて、ベッドの隅に転がっていた毛布をひっつかんで、頭からかぶる。 うそだろ? 僕、泣いた? 泣いてた? 恐る恐る自分の頬に触れてみると、やはりそこは間違いなく涙で濡れていた。 「高橋、お前……」 毛布の外から、先輩の呆然としたようなつぶやきが聞こえてくる。 涙が流れたのは、たぶん再現が終わった直後のごく短い間だったと思うけれど、どうやら先輩にはばっちり見られてしまったらしい。 「すいません!  あの、大丈夫ですから!  ほんと、なんでもありませんから!」 必死に弁解しつつ、僕は毛布の中でごしごしと涙をぬぐう。 別に再現が嫌だったわけじゃないのに、泣いたりしてしまって、先輩に罪悪感を抱かせてしまったりしたらどうしようと、僕はなんとか早く普通の状態に戻ろうと努力する。 「ごめんな」 案の定、優しい先輩は自分が悪いのだと思ってしまったらしい。 僕が毛布の中で再び弁解を始める前に、先輩は重ねて僕に謝ってきた。 「ごめんな、高橋。  ビッチとか、お前のキャラじゃなかったよな。  ほんと、悪かった」 先輩がそう言った途端、驚いたことに僕の涙はスッと引っ込んだ。 ああ、そうか、僕は先輩に実際に僕自身がビッチなのだと誤解されたくなかったんだと、僕はようやく気付く。 それでちょっと落ち着くことが出来たので、僕は頬に残っていた涙をちゃんとぬぐってから毛布から顔を出した。 「あの、僕、ほんとに大丈夫なんで、先輩も気にしないでください」 僕がそう言うと、先輩はほっとしたように微笑んで「うん」と答えた。 それから先輩は、体に毛布を巻き付けたままの僕に近づくと、僕の頭をなで始めた。 「先輩?」 「うん」 僕の問いかけに先輩は一言そう答えただけで、頭をなでる手を止めようとはしなかった。 わけはわからなかったけれど、そんなふうに先輩に頭をなでられるのは、うれしくて気持ち良くて、僕はただ黙って先輩に頭をなでられ続けていた。

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