｢お前は何を考えておるのだ!? 喧嘩したのならさっさと仲直りせんか 雪路が使い者(もん)にならん今 こっちはてんやわんやだ 大体あいつの金剛になると駄々を捏ねたのはお前だろう？我が儘も大概にしろっ 戯(たわ)けが！｣ 海影が雪路の金剛を外してほしいと楼主に頼むも全く取り合っては貰えなかった しかしこれ以上雪路の傍にいない方が彼のためだと考えている 多分海影は使い者にならなくなるまではここで働く事となるだろう、そう言う契約だ けれど雪路は？ 美しい色を持つあの子ならば身請けされる可能性もある そうなれば否応なしに離ればなれとなる 自分を好きになられてもあの子は幸せにはならないと海影は自分への想いを断ち切らせたかった けれどそんな想いなど知らない雪路は 未だ部屋に閉じ籠ったままで食事も取ってない それだけ海影が離れることが衝撃的だった 幼い頃ここに売られて心細かった時一番優しくしてくれた彼 ずっと憧れだった 彼がいたからここまで頑張ってこれたのに 雪路は引き出しにしまっていた海影に貰った根付けを手に取った