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番外編 安志&涼 『SUMMER VACATION』10

 プールサイドに立つ三人の男たち。  最初はその様子が恥ずかしくて真っ赤になってしまったが、あまりに丈が堂々としているから……  あの冷静沈着な丈が、まさかスーツでプールに飛び込んで、しかもそのまま裸になるなんてあり得ないだろう?  それに便乗する流さんと安志のノリの良さったらないよな。  まるであそこの大きさ比べでもするかのように、三人の体格の良い男たちがプールサイドに並んでお互いの股間を見比べている様子に、思わず涼と顔を見合わせて、大笑いしてしまったじゃないか。  恥ずかしいのやら、可笑しいのやら……もう大変だよ!  丈……お前そんなキャラだったか。  お盆休みというものが、何かを狂わせているのか。 「さてと、そろそろ上がるよ」  翠さんが妙に冷静な口調で、三人に白いバスタオルを配っている様子も可笑しかった。 「洋兄さん、僕たちも水着を」 「確かに!」  涼が言うや否や、翠さんがさっき放り投げた水着を手渡してくれた。  もちろん翠さんの腰にも、きゅっとタオルが巻かれていた。  純白のタオルが神々しいなと思った。  そして翠さんを先頭に、タオルを腰に巻いた男たちがすごすごと去っていく。  どうやら翠さんの家でシャワーを浴びるようだ。 「洋兄さん最高だったね」 「あぁ本当に滅多に見ることが出来ない貴重な光景だったよな」  俺たちもう一度腹を抱えて笑った。  まるで子供のように!  最高のプール日和だった。  人生で一番笑った日かもしれない。 ****  That night…… 「涼、おいこらっいつまで笑っているんだよ」 「ごめん、でも……だって」  僕は離れの部屋でシーツに包まれて、安志さんの胸に抱かれていた。パジャマはとうに剥かれ、素肌をくっつけ合っていた。 「丈さんが、あんなことする人だと思わなかったな」 「うんうん。あ……びしょ濡れのスーツを拾っている洋兄さんの顔、ちょっと怒っていたけれども、大丈夫かな」 「ははっ今頃怒られてるだろうな。洋を怒らせるとこわいぞ」 「安志さんだって」 「え? 涼……俺に怒っているのか」 「うーん今日はいいけど、他ではダメだよ」 「なんで? 俺の裸なんて見ても誰も喜ばないぞ?」  安志さんがあっけらかんとした顔で、不思議がっている。 「僕が、イヤなの」 「どうして?」 「だって安志さんの……立派なのバレちゃう……だろ」 「涼ぉぉ~それ嬉しすぎ。もう我慢できない。そろそろココ解れたかな」 「う……ん」  さっきから指先で、入り口を丁寧に解されていた。  卑猥な手の動きに、何度も声が漏れそうになった。  それをやり過ごしながら、こんな会話も出来てしまうようになったなんて、自分でもびっくりだ。  でもこの先はもう……そんな余裕はなくなる。  だってあの太くて硬いものが挿入されてしまうから。  僕を貫く太い幹。  大きな樹木のような温かみを感じながら、僕は貫かれていく。  手は頭の横で優しく固定され脚を大きく左右に開かれて、その間に安志さんがやってくる。 「あっあ……あ」 「んっ可愛い。涼こそ見せんなよ。他の人には絶対だめだ。この寺の中だけだぞ。あんな自由にさせるのは」 「う……んっ、分かってる……あぁ」  汗ばむ身体を互いに擦り合わせるように、僕たちはふたりで前後に揺れる。  逞しい背中にしがみついていれば、何も怖くない。  明日までは僕は安志さんだけのもの。  もっと僕の中に。もっと僕を欲しがって……  そんな貪婪な性欲に、僕の若い身体は満ちていく。  安志さんは僕だけのものだから。  この月影寺は、僕たちを守ってくれる場所だった。  羽を休ませるオアシス。  洋兄さんが僕たちに用意してくれた憩いの場。

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