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出逢ってはいけない 2
「我慢できるか」
「うっ、丈は意地悪だ。俺をこんなにしておいて……それを聞くなんて」
「おいで。こういう時のために、この離れにシャワールームを作ったのだから活用しよう」
袈裟を脱ぎ捨て、下着姿になった丈が、俺の腰を抱いて促す。
「……まったく」
そう言いながらも、俺もまんざらではないから、困ったものだ。
「丁度、当直だからシャワーを浴びてからいこうと思っていたんだよ。冬場だというのに、袈裟姿で動いたら汗をかいてしまった」
「そうみたいだな」
少し汗ばんだ丈の躰には、発情した雄の匂いが漂っていた。そんな半裸の逞しい胸板と腹筋を見ていたら、エロい躰だと、俺の方もドキドキし、自ら服を脱ぎだしていた。
「俺も一緒に浴びるよ」
丈がシャワーをひねると、温かいお湯が身体にあたり四方八方に飛び跳ねた。浴室には暖房も入っているので十分温かく、汗ばむほどだ。
「洋……」
丈の低い艶やかな声が、俺をその気にさせていく。背後からすっぽりと覆いかぶさるように抱かれ、俺のものを握られる。
「んっ……」
強弱をつけて丈の手のひらでやわやわと揉まれると、気持ち良く、うっとりする。
「あ……あぁ」
もう既に先ほどの刺激で固くなりつつあったそれは、すぐに勃ってしまい、恥ずかしい。
「元気だな……ここ」
「ん……」
「洋のここは、いつまでも綺麗だ」
「ん……変なこと言うなよ」
「私が触れる以外、使っていないからな」
「丈っ! 」
快楽の波が生まれる。俺と丈の間に……
俺の尻と丈の下半身が密着して、丈が動くたびに逞しいものがヌルヌルと擦れるのを感じる。
「少し滑りをよくしよう」
ボディソープをつけた手が、俺の身体を縦横無尽に攻めてくる。指先が乳首にあたると電気が走ったようにビクッとしてしまう。窄まりにはオイルを塗られ、丈の長い指が出入りしていた。第ニ関節まではゆうに入っているだろう。それを抜き差しされ、内部でぐるっとかき回される。
「はっ……これから、仕事なのに余裕だな」
「洋は私の指が好きだよな」
「確かに……長い……指だ」
ヌチュ…クチュ……
卑猥な水音が鳴りだして俺の意識がもっていかれそうになり、思わず壁に手をついた。
振り返り、丈とキスを交わした。それから唇をぴったり合わせ下半身も合わせて、重なって揺れて……
震えて力が入らなくなって尻もちをつきそうになると、丈の太腿でぐっと支えられた。端から見たら……すごい姿だよな。
丈と俺はひとつに絡みあい、絶頂を迎えようとしていた。
「んっ……すごいっ……感じる」
「イケそうか」
「あぁ……そのまま……いや……もっと深く、奥まで!」
「くっ」
ふたりで刺激しあって、共に果てた。
「はぁ……はぁ……」
もう……崩れそうだ。内股に生温かい残滓が伝い降りてきた。それを丈が丁寧にシャワーで洗い流してくれる。
少しだけ名残惜しく、排水溝を見つめた。
まだ整わない息で肩を上下させていると、丈がそのまま横抱きにしてくれ湯船につけてくれた。
「洋は少しゆっくりしていけ。風呂の温度は丁度いいだろう」
「……ありがとう」
最後まで俺を気遣ってくれるのが、丈らしい。
本当に俺……愛されているよな。
そして、俺も愛してる。
****
なるほど、ここは拓人の祖母宅なのか。やっとオレがどこにいるか把握できた。でも部外者のオレがいきなり上がり込んでいいのか。
「拓人……いいのか。オレ関係ないのに」
「あぁ気兼ねするなって。ばーちゃんに俺もちゃんと友達も出来て元気にやっているって所を見せたかったし、それに……」
「それに?」
「さぁお入りなさい」
話の途中で、おばあさんに背中をポンっと押され、そのまま明るく広いリビングに通された。すると隣の部屋のドアが突然開いて、小さな子供がふたりも飛び出して来た。
「わぁーお兄ちゃんだ!」
「おにーちゃん」
「おお!元気にしてたか。玲。ユイ!」
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