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雨に濡れて 14

あっ…丈の唇が俺の頬に触れた。 本当はベッドに降ろされた瞬間に目覚めていたんだ。 ソファでの口づけは夢か現実か分からないほどあやふやなものだったが 、今もう一度ベッドで頬にそっと触れていった唇の温かさは確かだった。 丈…このまま行ってしまうのか 。 俺はどうしたい? 丈は迷っている 。 俺も迷っている 。 でも確かなのは嫌じゃなかったということ 。 むしろ心地よかったということ 。 丈に触れられると、何故だかふんわりとした甘い気持ちが込み上げて来る。 **** 部屋のドアが閉まる音と共に、俺はむくりと起きあがり冷静に考えた。 丈は迷っているのだ、俺に手を出していいのか。 紳士的な彼のことだ、きっと葛藤しているのだろう。 俺だってあんなに触れられるのを嫌がっていた同性の男にキスをされて、大丈夫だなんて信じられない。 しかも、丈だったら…丈にならもっと触れてもらいたいと思っているなんて。 この高鳴る気持ちって一体何なんだろう。 まるでこうなる運命だった。 そんな出逢いってあるのか? ため息と共に部屋の時計を見ると、まだ21時だ。 俺はすぅっと深呼吸して目を閉じ、頭の中をクリアにしていく。 空っぽの頭に残る気持ちは何だろう。 それを知りたくて。 冷静になれ… 目を瞑ると脳裏に浮かぶのは温かみのある頼もしい丈の優しい眼差し 。 その記憶に手を伸ばせば、丈の男らしい香りが漂ってくるようだ。 もうそれだけで胸が締め付けられるんだ。 今、ここで俺は決心した。 丈になら抱かれてもいいと 。 丈になら抱いてもらいたいと 。 バスローブを脱ぎ、真っ白なシャツとズボンに着替え、丈の部屋へと足を向けた。 緊張で足がカタカタと震えているのが分かる。 だがこの一歩… この一歩は自分で決めた一歩だ。
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