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july.5.2015 SABURO 大ピンチ その1
『申し訳ありませんが、辞めさせていただきます 木之下』
はああ?
朝店にきてみたら、軒先に紙袋が置いてあった。なんだこれ?覗くと見覚えのある服がみえた。うちの店のせ・い・ふ・く!クリーニングすりゃいいって?置手紙したら許される?しゃがみこんで頭かかえちゃいましたよ。
「わりい、ハル。あのさあ、今日通しで出れるか?」
店に入るとまずハルに電話をした。ホールにスタッフがいないと営業できない。
『どうしたんですか?え……まさか木之下さん?』
「そのまさか、だったりします」
『大丈夫です、とにかくこれから向かいます』
突然辞めるということの意味を君は考えたことがあるかね?木之下!いない相手に向かって、怒鳴り散らす(心の中でね)
ホールの人間をまた探すのか。マジで人の管理って面倒で厄介だ。『ハル補完計画』に関しては、先日おじさんに相談して、現実的になった。まあ、それが救いっちゃあ救いか。ハルに熱烈プロポーズをして「お世話になります」といわせてやろう。ふふん。
さらにもう一本電話をする。
「おはようございます」
『どうした?』
「木之下が飛びました。補完計画さっさとして、固定メンバー探さないと。それより今日を乗り切れるかってのが問題。飲食経験者の知り合い、知らないかな~と思って」
『そうか……当てがないこともない。15:00くらいに、そっちに向かわせる』
『助かります!』
おじさん、魔法使いか?
時間が経って只今ランチ終了後 >>
ランチをなんとか乗り切り、賄いをすませてコーヒー飲みつつぼーっとしてました。今日のハルは無口です。だよな、ここ一人で乗り切るのは大変だもんな。
「お疲れ。木之下が飛んだって?」
やってきたのは神様・仏様・サトル様です!あれ?飲食経験者って頼んだよね、俺。
「ミネ、まずは状況の説明から聞かせて」
理様の降臨デス!
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