46 / 271
SABURO 大ピンチ その3
「今回は予定外のピンチだから、俺がホールに入る」
え!理さんがホールに?
「客の回転率を考慮したメニュー構成もそうだけど、ミネと飯塚が取り組んできたことが形になりつつあるよね。ホールに少しテコ入れして回転率をあげられないか、俺なりに考えながら今日動くつもり。ミネ、今日のおすすめの一覧は?」
「はい、これ」
「廃棄率削減の面から、出てほしい順にしるしつけてくれるかな」
相変わらず、理さんはテキパキさんです。理さんが「ご注文は?」なんてするのかな?うわ、楽しみ。
「中でもこれは食べてほしいなっていうメニューを2品ずつチョイスしてくれる?
正明、食べたお客さんの反応がいい料理を2品教えて」
「アヒージョはだいたいのお客さんが美味しいって言ってますよ。パスタはアラビアータかな」
「アヒージョは旨いもんなぁ」
ニッコリ顔。誰につくってもらったんですかね~理さん。
「おすすめは絞り込もう。シェフのおすすめ、ハルのおすすめ、オーナーのおすすめとして各2品、合計6品にしよう。それは俺がこれから書く。あ、ミネ、そのクリーニング野郎が持ってきた制服は俺でも着られる?」
「サイズは大丈夫だよ。サトルにホールまかせていいのかな、仕込みにはいるけど。それと……サトルは飲食店の経験あるの?」
「あるよ、中華料理に居酒屋、和食の店。一番長いのはホテル」
「ホテルぅ?」
「京プラ」
「まじぃ?」
理さんの底のなさっぷり……恐るべし。飯塚さんがメロメロなのは当然です。身の程知らずの当時の僕、振られて正解!
その後ホール部隊とキッチン部隊に別れて活動。なんかこれオードブルの時みたいだよね。
サラサラとこれまた素敵なおすすめを書いた理さんに言われて、コピーお使いに。戻ると、理さんは着替えていた。
うわ、素敵です!ミネさんがエプロンするとエロいのに、理さんはなんというかデキル感満載。パリのカフェにいてもギャルソンで通ります!
「じゃあ。ハル。段取りを説明するよ」
「はい!」
こうして理さんの指導がはじまりました
ともだちにシェアしよう!