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SABURO 大ピンチ その3

「今回は予定外のピンチだから、俺がホールに入る」  え!理さんがホールに? 「客の回転率を考慮したメニュー構成もそうだけど、ミネと飯塚が取り組んできたことが形になりつつあるよね。ホールに少しテコ入れして回転率をあげられないか、俺なりに考えながら今日動くつもり。ミネ、今日のおすすめの一覧は?」 「はい、これ」 「廃棄率削減の面から、出てほしい順にしるしつけてくれるかな」  相変わらず、理さんはテキパキさんです。理さんが「ご注文は?」なんてするのかな?うわ、楽しみ。 「中でもこれは食べてほしいなっていうメニューを2品ずつチョイスしてくれる? 正明、食べたお客さんの反応がいい料理を2品教えて」 「アヒージョはだいたいのお客さんが美味しいって言ってますよ。パスタはアラビアータかな」 「アヒージョは旨いもんなぁ」  ニッコリ顔。誰につくってもらったんですかね~理さん。 「おすすめは絞り込もう。シェフのおすすめ、ハルのおすすめ、オーナーのおすすめとして各2品、合計6品にしよう。それは俺がこれから書く。あ、ミネ、そのクリーニング野郎が持ってきた制服は俺でも着られる?」 「サイズは大丈夫だよ。サトルにホールまかせていいのかな、仕込みにはいるけど。それと……サトルは飲食店の経験あるの?」 「あるよ、中華料理に居酒屋、和食の店。一番長いのはホテル」 「ホテルぅ?」 「京プラ」 「まじぃ?」  理さんの底のなさっぷり……恐るべし。飯塚さんがメロメロなのは当然です。身の程知らずの当時の僕、振られて正解!  その後ホール部隊とキッチン部隊に別れて活動。なんかこれオードブルの時みたいだよね。 サラサラとこれまた素敵なおすすめを書いた理さんに言われて、コピーお使いに。戻ると、理さんは着替えていた。  うわ、素敵です!ミネさんがエプロンするとエロいのに、理さんはなんというかデキル感満載。パリのカフェにいてもギャルソンで通ります! 「じゃあ。ハル。段取りを説明するよ」 「はい!」  こうして理さんの指導がはじまりました

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