「トアさんは何処でスカウトされてここに来ることになったんですか？」 　中休みに気になっていたことを聞いてみた。ミネさんの「おじさん」こと高村さんと、どういう知り合いなのか。考え出したら夜も眠れない（嘘です、ちゃんと寝られます） 「もともと広告代理店でコピーライターだったのです。そこは潰れちゃっいまして。 まさか市内最大手がひっくりかえるなんて思っていないから、あれぞ路頭に迷うってヤツだですよ。どーーーーすんだよぉぉっぉお！って叫んじゃって」 　はぁ。しかしコピーライターという、なんだか格好いい職業だったのに会社がつぶれるなんて大変です。 「一番のお得意様が潰れてしまって、そのアオリですね。案外会社って簡単に倒れるようにできているんだなと、ちょっと達観しちゃったぐらいです。 その会社に在職中、高村さんに逢いました」 　ほぉ。仕事がらみってやつかな（僕が一生使わないセリフっぽい） 「『有楽町ガード下探訪記』っていう磯田忠彦が書いたガード下めぐりの本知ってます？ なんでも高村さんが有楽町のガード下で意気投合して磯田さんに言ったらしい。「そんだけ楽しい話ができるなら、まとめて文章にしたらいいと思う。売り込んだらいいとこいけるぜ」 　磯田さんは酔っ払いの戯言だととりあわなかったらしい。でも結局書いてみる気になって原稿をあげた。そして有楽町飲食店組合のフリーペーパーというか季刊誌に売り込みかけたら採用。限られた人しか読まないはずのコレが面白いと評判になって、本が出版。 その後は寂れた繁華街を巡りながら連載をはじめたわけです。全国で甦った繁華街は数知れず！磯田さんが店に現れると、誰もが「神様」と呼ぶらしい」 　ああ……ええっと。トアさん、いつになく熱く語っていますが肝心の「なぜ？」の答えがどこにもありません。 　磯田さんごめんなさい。貴方のことはコレっぽちも存じ上げません！ 「磯田さんが札幌に来たとき、高村さんその日最後の仕事が僕の働いていた会社のビルだったのです。喫煙コーナーで磯田さんの本を読みながらサボリーマンしていた時に声をかけてくれまして。 「その本人とこれから飲みにいくんだけど、くるか？」って。そりゃあ、行くに決まってますよね！ 逢ってみたら抜群に話は面白いし。文章にするときのコツとか色々聞いてもちゃんと答えてくれる本当にいい人で。その日を境に作家になると決めたんですよ。 そうしたら会社がなくなっちゃって、作家にならねば食っていかれない状況になっちゃっいまして。 ああ～でも作家にも全然なれてなくて、しょぼい文章ばっかり書いてるから悲しくなっちゃいます。だからＳＡＢＵＲＯに来ると気持ちが上向いて、精神衛生上すごく僕にイイ！」 　この人、こんなに喋るのか！口を挟む隙なんか全然ないし説明ながっ！テンポ早っ！