71 / 271
つづき
「どんなの書いているんですか?」
礼儀として聞いてみた。
「あ~『すすきのダイマラnight♪』って知ってます?案内所にザクザク置いてあるフリーペーパー。
ダイナマイトとマラで大マラ(でかちん)+ナイトの掛け合わせ。ダサイですよね~
そこの風俗コーナーを担当中。各店いちおしの女の子の紹介文を書いてます。
例えば、今回OKもらったのが
『ヌッキーマウス』の潤ちゃん。B:88 W:60 H:85 のセクシーボディ。
ベビーフェイスとのアンバランスさが男心をくすぐります。
フェラが大好きなんだって!ぽってりリップであんなことやこんなこと……生唾ものです!
潤ちゃんのゴク潤ボディを前に、こっちの息子も臨戦態勢!僕が先に濡れちゃうこと間違いなし!
とか……です」
作家として大成する道のりが遠いものであることだけは理解できました。
「ハルさん、でも見ていてください。絶対モノにしてやります。高村さんが言うように、SABUROで何か掴めば『ディナーラッシュ』も夢ではないと思えるのです!」
「ディナーラッシュってなんですか?」
トアさんは、僕が珍獣に化けたかのような驚愕の表情を浮かべた。何?それって知っていて当たり前の何かですか?ディナーラッシュ?
「えええええ。あのB・ジラルディの傑作にして、おすすめ映画のテッパン「ディナーラッシュ」をしらない?B・ジラルディはCMやミュージックビデオの先駆けみたいな人で、マイケルジャクソンの「beat it」は彼の監督です。
話しを戻しますが『ディナーラッシュは』NYのトラットリアの一夜が物語の骨子。色んな人が繰り広げる群像劇ですね。
イタリアものといえばアイロエ、いい俳優ですよね?彼がレストランのオーナー。ウェイトレスにはサマー・フェニックスが扮しています。彼女の兄はホアキン・フェニックだし、もちろん伝説の俳優リバー・フェニックスの妹。この映画最高です!ラストなんかね「うっひょぉおおおお!」って叫ぶ、絶対叫ぶ!」
ええと……これも礼儀で言ったほうがいいよね。
「今度レンタルしてみます」
「何言ってるのですか!水臭い!僕が貸します。明日持ってきますから」
……断りきれませんでした。
そして翌日、ニコニコ顔で渡されたDVD。面白いのだろうか、コレ。しかし早いとこ見て返さないと、どうだったどうだったどうだったどうだった?と聞かれまくるだろう。
厄介事はさっさと始末とばかり、その日の夜に鑑賞開始。
「うひょおおおおぉ!えええ、マジ?うわ、なにこの人、えええええ!」
絶対叫ばないと誓ったのに、あっさり夜中に叫びました。これが鉄板だって、わかりすぎる!これは最高に面白い!
少しだけ見直しました、トアさん!!
ともだちにシェアしよう!