「じゃあ、次の検証」 　選んだのは白人男性同士の絡み。これも５分くらい。 【オオオ～～～イエス。イエス、オオオオ～～アアオ～～ワオオ～～、イエス、イエス！！】 　海外ものはノーマルだろうがゲイビだろうが煩いことは共通らしい。それにグロさを感じる。これを見てムラムラは無理。オ～～イエスが邪魔をするし、アメリカンサイズのモノが作りものみたいに見える。 「どうだ？」 　理の顔は興奮から無縁のしかめっ面。可笑しくなって肩をボンと叩くとそのままソファに倒れ込んだ。 「無理。てかなんであんなデカいのさ。聞いたことあったけど、初めて見たよ外人さんの。それにうるさいというか、感情表現が豊かすぎて俺には向いていない。衛がこんなんだったら頭ひっぱたくか猿ぐつわだな」 「へ～俺を縛って猿ぐつわ？」 　ものすごい勢いでクッションが飛んできた。テーブルにぶつかったらワインが零れるじゃないか。 「するわけないだろうが！変態！変なこと言うなって。俺は真剣なんだから。外人さんの何本みても結果につながらないと思うから、これ日本人のでてこないの？」 「あるだろうな」 　Japanと検索に打ち込みGayをクリック。ずらずらと候補が画面一杯に広がった。 「どれがいい？」 「どれって言われてもなあ」 　真剣に候補を選ぶ理に笑がこみあげそうになるが必死で飲みこんだ。ここで笑えば理が怒り心頭になり、平謝りを繰り返すことになる。それは必要ない、我慢我慢。 「なんか、よくわかんない。なんでマッパでゴーグル？水着が多いのはなんで？うわ、このマッチョは無理そうだ、圧が強そうで怖い。学生服はなんだかな～だし。スーツのリーマンもいるね。これにするか、なんかどっちも普通っぽいし」 　理ご希望の動画を再生。さすがに日本人同士、オ～イエスはない。 「なんで、こんなサイトしってんの？初めて見た」 「勉強の為に。さすがに北川にも聞けないし。理に怪我をさせるわけにいかないし、俺だって痛いのはいやだから調べたんだよ、色々と」 「はああ？」 　よくわからないが、俺と理の間にクッションが３つ積み重ねられてしまった。このクッションからこっちに入ってくるなということらしい。 　画面では挿入シーンが展開されている。当然のことながら、これを見てドキドキしない。どちらかといえば見たくないと感じるし、ワクワクしたり見続けたいとは思えない。プツンと途切れたように動画が終わった。 「まずいと思う」 「どうまずい？」 「こっちもダメそうだ。他も試してみよう」