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つづき
「武本のハリウッド作戦はいいのか?トアと交代制でという案だって練ることができるだろう」
「あ~、あれは忘れてください」
「は?」
武本はキリリと表情を引きしめた。何を言うつもりだ、おい。
「俺達はどんなダイナマイトでも吹き飛ばせない岩盤ですよ。まさに盤石。雑魚な男も女も入り込む隙はありません。色々大丈夫すぎて困るくらいです」
「お、お前……なに言ってんの?」
「奥さんいるのに、プロポーズ受けて来世予約済なんていう方に「何言ってんの?」って言われてもね」
「だっ!なんだ!どっからそんな話が漏れた!」
「へえ、本当だったんだ。どこからって俊己さんに決まっていますよ」
俺は頭を抱えた。恥ずかしすぎて顔をあげたくない。なんということだ!
「ドギマギさせられるって、けっこう恥ずかしいですよね。今までのお返しです。ということで、この案件は充さんにお任せします。今日も予約入っていますから、俺はそろそろ準備にはいりますので。お疲れ様で~~す!」
武本は頭を抱える俺の肩をポンポンと軽く叩いてマグ片手に厨房に向かった。
恥ずかしい。他人に知られている!秘密が知られている!くそっ、俊己の奴。これ以上誰かに言わないように口止めしなくちゃいかん。命日来たばっかりじゃねえか、覚えているか?1年先の俺。
カバンをさぐり、今月買った手帳を開く。10月3日のスペースにデカデカと書いた『俊己に口止め』
年に一回しか逢えないっていうのも不便だな、俊己。
俺はため息をついた。ため息ぐらいいいだろう……武本にギャフンと言わされる日がくるとはな。でも経験値はまだまだ俺に分がある。アイディアは武本のものだとしても、それをまとめる交渉は俺の腕にかかっているわけだ。
やってやろうじゃないか。いや、やってやるさ。
手帳を閉じてカバンに押しこむ。さてとテレビ局さん、早いとこオファーってやつをくれないかな?ニッコリ笑って、こっちの案を捻じ込んでやる!
ふふふ
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