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「好き嫌い…?αは無条件でΩのフェロモンが好きなんじゃないの?」 「知りませーん。俺βだし。…まあ、だから?藻武のフェロモンに問題があるわけじゃなくて」 「もしかしてあれ!?親子でよくある遺伝子が近いと嫌な臭いに感じちゃうってやつ?ってことは僕と佳威先輩は遺伝子が近いってことだよね?…そっかあ。似た者同士ってことか〜それなら仕方ないよね!」 「だから聞けよ人の話!!」 初めて声を荒げた寺川である。 「でもお、僕ちょっと怖くなっちゃった」 「…なにが」 「佳威先輩って結構激しそうじゃん?オラオラ系好きだけど僕華奢だからさあ、壊れちゃうかもしれないしぃ」 「お前の頭ん中ドピンクかよ。そもそも匂いが駄目って言われてんだからエッチなんてもってのほ」 「うん!そうだね!てっちゃんの言う通り!僕にはやっぱり優しくて甘ーいエッチしてくれそうな相手がいいのかも!ってことは〜…」 口元に軽く握った手を当てて考えてるのポーズ。実にあざとい。自分がどうしたら可愛く見られるのか分かっている。 「あ!」 「分かった。思いついたんだな。でももう俺腹減り過ぎて限界。続きはまた明日にしよ」 「え〜。一人で行けばいいじゃん」 「お前なあ!一応自分が狙われる立場だってことも思い出せよな!ギリギリまで抑制剤飲まないとか訳わかんないこと言い出すし…いいからもう飯行くの!」 「もー。分かったよぉ。じゃあ続きは明日ね」 渋々頷いた藻武だったが、明日こそは成功する自信があった。 ――今日は仕方ないよね。だって二人とも二年生で先輩だし?先輩情報、網羅できてなかっただけだもん。だけど明日は多分大丈夫! 藻武はほくそ笑んだ。 彼が次のターゲットに選んだのは、二年生ではない。もちろん三年生でもない。 不気味な笑みを浮かべる藻武を横目に、寺川は胃が痛くなるのを感じていた。

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