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終章 7

 涼正はタイルの床の上で固く握っていた手を、そろりと後ろへ伸ばした。  女性とは違う、薄くしか肉のつかない堅い双丘を自身の手で掴み政臣や鷹斗に全てを晒すように割り広げる。 「いい、から……も、政臣が……欲しい」  涼正が素直な気持ちを吐き出すと、政臣が後孔から舌を引き抜き苦笑い混じりに忠告した。 「っ、……まったく、煽るなと言っただろうが。……どうなっても知らないぞ?」  それでもいいから、と頭を縦に振った直後。熱いモノが後孔の中心に宛がわれ、涼正は歓喜に背を震わせた。  触れた部分から爛れてしまいそうな熱さと堅さに涼正の喉が上下する。 「いれるぞ、……力を抜いていろ」 「あ、ああっ……い、つっ……う!!」  グッと腰を押し進められ、後孔の縁を政臣のモノが押し広げていく。  しかし、慣らされたといっても所詮は入り口に近い部分だけなので奥に進もうとするごとに涼正をひきつれるような痛みが襲った。  苦し気に眉を寄せ、噛み殺し切れなかった悲痛な声が上がる。 「涼正、無理しなくていい。もう少し時間をかけて――」 「い、やだ……っ、痛く、ても……いい、からっ……」  政臣が涼正を気遣い腰を引こうとするが、涼正がそれを止めた。  政臣は一瞬考えるも、結局は涼正の望みをきくことにしたのか、動きを再開させた。  限界まで縁が拡がり、ゆっくりと政臣のモノが涼正の中へと侵入してくる。  引き伸ばされた粘膜がピリピリと痛むが、それでも涼正のそこは切れずに柔軟に政臣を受け入れ始めていた。 「涼正」 「……鷹斗、やっ、待っ――っあああっ!!」  鷹斗に名前を呼ばれ、何事かと脂汗を滲ませながら涼正が振り返り見ると悪戯っぽく笑う鷹斗が見えた。次の瞬間、嫌な予感を感じ制止の声を上げたが既に遅く。  鷹斗の手が挿入の衝撃で萎えた涼正のぺニスを掴み、上下に扱きだしたのだ。  急に与えられた快楽に涼正は床に頭を押し付けながら咽び啼いた。  政臣に腰骨辺りを掴まれ支えられていなければ、そのままタイルの上にくずおれていたかもしれない。 「あ、……ああっ……んっ!!」  内蔵を押し上げられるようなゾワゾワとした感覚に涼正は堪らず声を上げた。  涼正の力が抜けた一瞬を見計らい政臣がズンッと奥まで押し入ってきたのだ。 「涼正、……ん、全部入ったぞ……」 「ふ、あっ……ん、ん……」  涼正の双丘に政臣の腰が当たっていた。根本まで入ったことを知らせるように揺すられ、涼正は背をしならせた。  体の奥の方で政臣の存在を感じ、涼正の胸が幸福感で満たされていく。  狭い肉筒(にくとう)を政臣のぺニスでみっしりと埋め尽くされ苦しささえ感じるのに。涼正は荒い息を溢しながら、しかしその顔は幸せそうな笑みが浮かべられていた。 「……、政臣……う、ごいて……っ」  涼正のそこが慣れるまで待っていたのだろう政臣に、涼正は痺れを切らしたように腰を揺らす。 「っ、だが……キツくないのか……?」  戸惑いの混じる政臣の声に涼正は頭を横に振った。 「大、丈夫……だか、ら……ふあっ!?」  待ち望んだ衝撃に涼正の瞼の裏で火花が散る。政臣のぺニスで一突きされる度に肉壁が収縮し政臣に絡みついた。  みっしりと中を埋め尽くされ、内蔵を押し上げられるようなゾワゾワとした感覚が涼正を襲う。  唇からひっきりなしに甘い声が溢れ、涼正の意思とは関係なく内壁が蠢く。 「っ、あんたはここも……欲しがりだな……っ、く」 「は、ああっ……ん!!」  浅い部分で抽挿されたかと思うと、一気に深い部分に叩き込まれ涼正はあられもなく喘いだ。  熟れた媚肉を政臣の亀頭の先で捏ねられ、ある一点を掠める度に涼正の体が電流でも流したかのようビクビクと跳ね、鷹斗の手を先走りで汚していく。  普通は下肢から聞こえるはずのないじゅぷじゅぷ、と水気を含んだ音が浴室内に響き涼正の興奮を煽った。  どちらのものとも分からない体液が涼正の太股を伝い床へと落ちる。 「涼正っ、……」 「はあ、あ……、んっ!!」  政臣が覆い被さるように一際奥まで入り込んできたかと思うと、ゆっくりと抜け出ていく。  そして、縁ギリギリまで引き抜いてからまた勢いよくズズッと挿入され涼正は背を仰け反らせた。  双丘を掴む手がブルブルと震え、涼正のぺニスが腹に付きそうなほどに反り返る。  時折、限界を訴えるようにピクピクと震えるそれは赤く熟れた色を晒し痛々しいほどに張り詰めていた。  背後から政臣の荒い息遣いがきこえ、ゆっくりとした律動が徐々に速まる。 「涼正、っ……だす、ぞ」 「あ、んっ……奥に、……っ!!」  がつがつと息が止まるのではと思うほどに突き上げられ、涼正は白みかけた意識のなかそう叫んでいた。  中で政臣のモノが膨れ、脈打つのまで感じる。  鷹斗の指が射精を促すように涼正のぺニスの括れた部分に絡み付き、ヌルヌルと動く。 「あっ、ああぁ――っ!!」  涼正の体が大きく跳ね、甘い嬌声が上がった。  目の前が白く染まり、涼正は呆気なく吐精してしまっていた。  びゅくびゅくと、涼正のぺニスから白濁が吐き出され床に白い花を咲かせる。それにつられるように政臣を咥えたままの後孔が収縮を繰り返す。 「っ、くぅ……っ」  涼正の奥の方で政臣もまた吐精したのか。剛直が二、三度大きく跳ね温かいモノが内壁を叩く感触に涼正は身震いした。

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