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終章 8
「は、あ……っ……」
息が整わず、涼正は忙しなく胸を上下させながら蕩けた瞳で床を見つめていた。
気持ちがよすぎて、訳がわからない。
まるで、腰から下が溶けてしまったように力が入らない。
「兄貴、さっさと交代しろって」
そんな涼正の背後の方で急かすような鷹斗の声が聞こえた。
政臣を退かそうとしているのか、政臣の体が動く度にまだ涼正の中である程度の堅さを保っているぺニスがイッたばかりの涼正の敏感な粘膜を擦り、情欲の炎にまた火を灯していく。
自身の際限のない欲望に思わず苦笑いが浮かぶ涼正の背後で、すでに呼吸の整った政臣が淡々と口を開いた。
「……断る」
「はあ? 今したばっかだろ、代われって」
不機嫌な声の鷹斗が政臣の体を揺さぶるのだが、政臣のモノは依然として涼正の中にどっしりと居座ったままである。
時折、ユルユルと前後に動かされ中に吐き出された白濁が縁から外へと溢れだし涼正の太股を濡らしていく。
「あ、ぁ……、政臣、……っ」
動くのをやめて欲しくて制止の声を掛けようとした涼正だが、政臣のとんでもない言葉が耳に届き目を見張った。
「そんなにしたければ、このまま挿れればいいだろう」
「っ、ちょ、待って……そんなの、無理に――」
冗談か何かだとしか思えない涼正はすがるように後ろを振り返ろうとしたのだが、政臣と繋がったままの後孔の縁を指先で辿られた事で動きを止めた。
「このままって……。いや、それもアリか」
鷹斗がそう口にするなり、涼正は腰骨を政臣に掴まれたまま体を起こされた。
「い、ああぁっ!!」
ぐちゅり、と繋がったままの部分を深く抉られ涼正の唇から悲鳴に近い喘ぎが上がった。
まるで下から串刺しにされているような錯覚さえ感じる程に涼正自身の体重で更に深く政臣を呑み込むことになり、涼正はハッハッ、と開いたままの唇から荒い息を溢す。
苦しくて堪らないのに、内壁が政臣の侵入を悦ぶように反応してしまう。
「涼正のここ、すげぇエロい」
涼正の体の前に回り込んだ鷹斗に名一杯拡がった孔を覗き込まれ涼正は咄嗟に脚を閉じようとしたのだが、「隠すな」と政臣に低い声で言われ太股部分を掴まれたかと思うと鷹斗の前で無理矢理開脚させられた。
「や、だ……見ない、で……くれ……」
涼正は真っ赤に染まった顔を俯かせ懇願したのだが、鷹斗の視線は涼正と政臣の結合部分に注がれたままだ。
突き刺さるような視線に涼正のそこがヒクリと震え、中に注がれた白濁がトロリと溢れ落ちていく。
「ちょっと無理させるかもしんねぇけど、我慢しろよ?」
「ん、んんっ……い、たっ……!!」
ぐちっ、と音を立てて鷹斗の指が後孔の縁部分から潜り込んでくる。
裂かれるようなピリピリした痛みから逃れるように涼正が頭を振るが、鷹斗の指は動くことを止めない。
それどころか、奥へ奥へと進み中を押し広げるように指先で掻き回すのだ。
先程よりも大きく、ぐちゅ、ぐちゅと淫らな音が聞こえ、耳からも涼正を犯していく。
「ほら、一本入った……」
「無理、だ……ああっ!!」
政臣のモノと鷹斗の指が根元まで入り込んでしまったそこを揺すられる。
一度は痛みで萎えてしまった涼正のぺニスがヒクリと震え頭をもたげ始めているのが視界の端に映り、涼正は信じられないような気持ちでそこを見つめた。
「こっちも可愛がってやるよ」
「え? っ、あ……うっ!!」
唇をつり上げた鷹斗が涼正の脚の間に顔を埋めた途端、ヌルリとした感触にぺニスを包み込まれ涼正は政臣の上でビクビクと体を仰け反らせた。
脚を閉じようにも政臣に背後から太股を掴まれていて閉じることが出来ない。
「涼正、っ……ん」
「ひ、あぁっ!!」
前から鷹斗にぺニスを口淫され後孔を拡げられ。背後からは政臣に揺さぶられながら背を舌先で辿られる。
後から後から、尽きることない快感が涼正に押し寄せ淫獄の中に叩き込もうとしているようだ。
ぐちぐち、と音を立てながら鷹斗の指が涼正の中を探っている。相変わらず縁をギリギリまで引き伸ばされる違和感はあるが、痛みは薄らいでいた。
だからこそ、涼正は分からなかった。涼正の中に埋められた鷹斗の指がいつの間にか増えていたことに。
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