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秘められた過去 5
「好きなんだ…女に抱くのと同じ感情なんだ。ヨウ、私は君のことが好きなんだ…」
ジョウの想いの籠った言葉を受け、俺は雷で打たれたように立ちすくんだ。
頭が混乱する。ジョウが俺のことを?
駄目だ…駄目なんだよ。ジョウ…
俺は、汚れているから、お前にふさわしくないんだ。
でもこのままお前の想いを拒否したと思われたままなのは嫌だ。
どうしたらいい?
俺の本当の気持ち伝えるべきなのか。
心が、頭の中がぐちゃぐちゃに揺れ動く。
****
意を決して伝えよう。
この話をしてお前が俺の元を去って行っても、仕方がない。
誰にも今まで打ち明けられなかったおぞましい過去だ。
でも、それでもどうか聴いてくれないか?
もう俺は毎晩のようにうなされる過去の呪縛から解き放たれたいんだ。
大きく息を吸い込み、心を整えてから告げた。
「ジョウ、俺もお前のことをずっと秘かに思っていた。だが、俺にはお前に話していない過去がある…」
「ヨウ!本当か、私でいいのか。だが過去とはなんだ?」
「この話を聞いたらお前はきっと俺のことなど見たくなくなるかもしれない。だから俺もお前のことが気になっているなんて、ずっと話せなかったんだ」
「ヨウ話してくれよ。どんな話でも受け止めたいんだ。そのくらいお前のことを愛おしく感じてるから」
****
ヨウはここまで一気に話すと、私の胸に顔を埋めてきた。
私は少し躊躇した後、震える肩を優しく抱きしめた。
「何を聞いても恐れないよ。さぁ話して…」
俺の胸に顔を埋めていたヨウは決心したように顔をあげ、私のことを思いつめた目で見つめ、
躊躇いがちに少しづつ話し始めた。
「俺が王の近衛隊長になる前、違う隊に所属していたことは知っているだろう?その悲しい結末も。その頃の話なんだ…」
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