「やばいな…こんな簡単に決まるなんて思ってなかった…書類とかまだ全く準備してないよ…」 そんなことを思っていると携帯の電話が鳴った。 「はい、もしもし？はい、そうです。あー、初めまして！！！……はい。見学？……はい、ぜひお願いしたいです！それでいつなら平気でしょうか？……空いてる日？今日でも大丈夫ですよ(笑)あ、今日ですね、わかりました。って今日？！？！」 電話相手はシェアハウスの大家さんだった。顔合わせも兼ねて家の案内をしたいからということでわざわざ電話してきてくれたのだ。 「冗談で今日って言ったのに、本当に今日になるとは…でも怖そうな人じゃなくてよかった。てか家から2時間以上かかるよ！やばい！早く行かなきゃ！なんで今日なんて言ったんだろう、俺のバカー！」 結局、準備を何もしていなかったせいで3時間以上かかり、待ち合わせ時間より30分も遅刻するという大失態を犯してしまった。 「やっと着いた…なんか外装すごい、洋風ホテルみたい、てかここやっぱり家賃高いんじ」 「きみ！」