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溢れて2

ろくにお墓参りも行けず、今日この後、お墓に挨拶しに行こうと思っていたことを見透かされたように。 「もう大丈夫だよ、君はよく頑張った」 何も知らないくせにという思いがある一方、どこかで誰かに言ってほしかったことをこんなにストレートに素直に言ってくれたことが嬉しくて俺は年甲斐もなくまるで子供のように泣いた。 俺は家族が欲しかったんだ。認めてくれる人がほしかった。それは汚い感情で決していいものではないけれど、それでも俺は自分を認めてくれる人がほしかった。だからシェアハウスにしようと思った。もちろん、お金がなくて安いところにしなければならないという理由もあったが、どこか他人任せで助けてもらえるのを待っていたんだ。 「ごめんなさい。俺はこんなに面倒くさくて…いろいろ…迷惑かけちゃうと思います。」 「何言ってんだ(笑)そんな小さいこと気にするな!俺は単なる大家だけど、和也くんの力にいつでもなるから。だからお兄ちゃんって言ってみ?(笑)」 「それと…これとは…話が違います…泣」 「ありゃ、残念(笑)」 いろいろ気を遣ってくれてたんだなってことに気づき、俺は余計に泣いた。泣き止むまで仁さんは優しく抱きしめてくれていた。

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