「え？仁さん?」 ドアが開くと同時にそう声が聞こえた。 俺と仁さんがいるのはこの家のエントランス。一通り説明が終わりこれから家を出ようとした時に俺が泣き出すもんだから(仁さんが泣かせにくるから)、男同士がハグをしている謎の光景がドアの目の前に広がっていた。 「あれ？今日は帰りが遅くなるって言ってたのに早く帰ってこれたのか、おかえりなさい」 「あ、はい、ただいま帰りました。えーと、それで、その子は誰ですか？迷子の小学生ですか？」 は？？？この人今なんて言った？仁さんの温かさに触れて幸せな気分になってたのに… 俺って小学生に見えるの…？？マジで？？身長小さい人はみんな小学生なの？？つーか小学生で身長163cmって、あだ名絶対「巨人」だから！でけえし！ 「そうなんだよ。迷い込んじゃったみたいでさ、どうやって入ったか分からなかったから聞き出してたんだ」 「仁さん？！何を言ってるんですかー！！訴えますよ？！」 「えー、和也くんは怖いなぁ(笑)」 「僕は本気ですから！！」 「そんなこと言うなら、家貸してあげな…」 「ごめんなさい、もうしません」 「はは(笑)かわいいな(笑)。 おっと、今入ってきたこの人の紹介しないと。この人はこのシェアハウスに住んでる住人の1人で、夏目龍(ナツメリュウ)くんだよ。今住んでいる人の中で1番年上。」 身長が仁さんよりも少し高くて肩幅が広い。鼻が高く目はパッチリの二重で、モデルかってくらい顔が小さい。だけど、黒髪で短髪の髪には寝癖らしきものがついていて。でもまぁ一言で形容してしまえばイケメンである。