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はじめまして
「はじめまして。春から“ 大学生”になる橘和也といいます。東京の“ 小学校でも中学校でも高校でもない大学”に通うことになったので、新しくこのシェアハウスに越して来ました。よろしくお願いします」
なんでこんなにムキになってるんだろうと自分でも思うけど、流石に小学生は腹立つ。
「あー、そうだったのか。俺は夏目っていいます。28歳で、ここに住んてます。仕事は株関係と英語の翻訳の仕事してるから、フリーランスってとこかな?いやぁ、さっきはごめんね(汗)。仁さんに隠れてて全く見えなかったし、抱きしめられてたからつい…(汗)。大学生ね、しかと承知しました」
さっきのムキになってた自分を殴りたい。めちゃくちゃいい人じゃん。これからひとつ屋根の下で一緒に暮らす人にツンケンしてどうするんだ俺…俺って本当に小学生なんじゃ…?
「いえ、分かってくれたなら嬉しいです、僕もムキになってすみません…」
「謝ることないよ。これからよろしくね!でもまぁ、女の子みたいで可愛いね」
前言撤回。女の子みたいって褒め言葉じゃねぇぞゴラァ!
れっきとした男じゃ!!!
という言葉が喉まで出かかったがなんとか堪えた。中学生くらいには昇格できた、よくやった、俺。
「ははは…えーと、それでは仁さん、今日は急だったのに案内してくださり、ありがとうございました。改めてこれからよろしくお願いします!では今日は帰りますね」
「今から帰るとだいぶ遅くなっちゃうし、今日はここに泊まっていきな。ちょうど龍くん帰ってきたし、いろいろ聞いといた方がいいよ、細かいところまでは説明できなかったからさ」
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