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住むにあたって
家に戻ると夏目さんが夕食の準備をしていた。
「あの、夏目さん改めてよろしくお願いします。それで、この家の規則とか約束ごととかを教えてもらえますか?」
「そうだなあ、まずはそれかな」
「どれですか?」
「それ」
話が噛み合わない。この人日本語通じるのだろうか…通訳を仕事にしてるとか言ってたけど英語、中国語間の通訳なんじゃ……いや、ポルトガル語かも…
そんなことを考えながら意味がわからないというような顔をした。
「そんなキョトンとした顔もかわいいなあ(笑)この家のルールだよ。それは住んでる人全員タメ語で話すこと。年は関係なくね。そして、名前かニックネームで呼ぶこと」
「なるほど、そういうことですか」
「それ」と言ってたのは喋りのことだったのか…もう少しわかりやすく言ってくれればいいのに。察するとか空気を読むとかができないから全く気づかなかった。
「いきなりタメ語でもいいんですか?かなり年下なのに。そして名前もタメなんですか?さん付けとかダメ?」
「一緒に暮らすんだから当たり前だろ。名前もさんなんて付けなくていいよ。龍って呼んで。俺も遠慮なく和也って呼ばせてもらうから」
「はぁ、わかりま…分かったよ。でも名前はいきなり呼び捨ては難しいから龍さんで」
「呼び捨て難しいなら龍にい、とかは?笑」
なんでみんな兄と呼ばれたがるんだ!!意味わかんない、そんなに弟ほしいのかな。それにしたって龍にいは無いだろ…呼んでる自分を想像しただけでキモすぎる…
「いや、無理です」
「です?」
「無理!!龍さんで勘弁して!!」
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